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□おまえは獣にはなれない
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※キャラ名は人間名表記です。





いつだったか聞いた事がある、日向ぼっこは太陽に見惚れて眠ってしまうと。






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おまえは獣にはなれない
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何も言伝せずにふらりと外へ出掛けた彼を追ってきて正解だ。
陽射しが暖かくとも、吹き抜ける風は肌を刺すように冷たい。


「ヘラクレス、こんなところで寝てたら風邪引くよ」

「…ん。」


ほら、と身体を起こし肩に手を掛ければ、無意識だろうか自分の掌をそれに重ねる。
胸が弾むのと同時に、唸りながらもう一度寝転んだ。


「お腹すいて動けない」

「子供じゃないんだから」

「無理。動けない」

「もう、何も食べる物持ってないよ。私食べてもお腹は膨れないし」

「え?いいの?」


なんてね、と冗談のつもりで続ける筈が間髪入れずに返ってきた言葉に目を丸くした。
動けないんじゃなかったのかと口に出そうとすれば、いつの間にか瞳に映るのは彼越しに見える青空。


「なっ」

「いただきます」

「ちょっ、こんな昼間から…!」

「昼間じゃなかったらいい?」

「そーゆー意味じゃなくて!だってほら、人目が!」

「人目は特に気にしない」

「気にしろー!!」




澄んだ空気の日はよく音が響くというが本当の話だった。






翌朝、ヘラクレスの顔を見るなりにやにやとからかう気満々でサディクが歩み寄ってくる。


「なぁ、そのほっぺたの手形について触れていいか?」

「断る」





END
双葉さんリク。

正当防衛です。

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