星瞬月輝−雪の章−

□† 終わりの始まり
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 始まりの音がする、春。


いつもの退屈な…しかし平和で、普通で、少しだけ寂しい毎日は―――

夜桜の下で


唐突に

終わりを告げた。



 不思議な出会いが

日常に

絡まっていく。





《…大丈夫か》

 自分の内から、気遣うような声が聞こえて。
ああ、感情が乏しいだなんて…と、こんなにも優しいではないか…と、少し目を見開いた後。

なぜか温かいものが込み上げてきて、それが瞳から零れそうだったから、目を閉じた。

〈うん〉

 心に直接声をかけられたから、同じように応えた。
多分伝わったのだろう。


〈……行こう

―――六花〉






 そして

私だけの物語が



始まる。





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