物語

□プロローグ
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『おなかへったぁ〜』


たいちがこの一言と共になにかを訴える目で私を見ている。




無視しようと思ったけど目が合ってしまった。

私はこの目に弱い。
長いまつげに縁取られた完璧にキレイな二重。
その目が私を頼るように見上げている。



読んでいた雑誌を床に置き無言で台所に向かうと後ろから


『オムライスがいい。卵とろとろの』


という注文が聞こえてきた。
私は目にキッと力を入れ振り返ったけどたいちは携帯型ゲーム機の画面に向かったままで今度は目は合わなかった。

居候の分際でと思いながらも向き直って私は冷蔵庫から卵を2つ取り出した。




たいちが来て1週間。私の調子は狂わされっぱなしだった。
 

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