青空の書庫
□消えた旗
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蒼空の旗が
ひとつ 消えた。
掲げられた
蒼空の写真は
胸破れたひとの、
無言の
抗議のようだった。
血潮の流れを感じる、
言葉を持つ
ひとだ。
傷つけることの意味を
深く知るひとだ。
愛と、
怒りと、
辛辣と、
真に優しい ユーモアに
満ちた、
そのひとの
存在そのものの
言葉が、
消えてしまった。
もし、
思いを籠めた言葉に
人を 呼び返す
ちから が
あるなら。
再び、あなたの、
血管を通ってきた、
愛と痛みの
言葉を。
もう一度、
蒼空の旗のもとに。
帰還して下さい。
あなたの、
ことばの ちから が
あなたが愛したひとには
必要 なのです。
2011年1月11日