青空の書庫

□消えた旗
1ページ/1ページ

蒼空の旗が
ひとつ 消えた。

掲げられた
蒼空の写真は

胸破れたひとの、
無言の
抗議のようだった。

血潮の流れを感じる、
言葉を持つ
ひとだ。

傷つけることの意味を
深く知るひとだ。

愛と、
怒りと、
辛辣と、
真に優しい ユーモアに
満ちた、
そのひとの
存在そのものの
言葉が、

消えてしまった。


もし、
思いを籠めた言葉に
人を 呼び返す
ちから が
あるなら。


再び、あなたの、
血管を通ってきた、
愛と痛みの
言葉を。


もう一度、
蒼空の旗のもとに。

帰還して下さい。

あなたの、
ことばの ちから が
あなたが愛したひとには
必要 なのです。



2011年1月11日

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ