青空の書庫
□空に放つ
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離れていても
あなたのかなしみが
伝わる。
この空を
通して
私に触れてくる。
しぜんと
しずかな 涙が
ながれるのは
その しるし だ。
何が あったのか
ほんとうの ところは
知る術もない。
光が生み出す
翳りを感じるように
思いだけが
つよく
響いてきて
わたしの こころ は
じっと して
いられない。
もう あなたのことで
奪われていくような
あの息苦しさを
感じたくは ない。
お互いの場所で
呼吸を整えて
日々 ひそやかに
闘えるように。
決して届かない
あなたの かなしみを
めざして
その傷を
ずっとこの胸に
抱き続けて
翼 癒えた
鳥のように、
言葉を、
大空に向かって
放つ。
2010年12月20日