青空の書庫

□ある若者に
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生まれ変わったら

断崖に棲む鷹に

なりたい



君がそう願うのは

生い立ち故なのか



君が

小さな子供そのままに

私を抱きしめて



自分だけのものに なって

と 言ったとき。



何も知らず

戸惑いながら

思わず



私は誰のものにも

ならない



突き放すように

ほんとうのことを

言って しまった。



ごめんね。



君のことを知った 今も

その気持ちに

変わりは 無いんだ。



私は誰のものにも

ならないし、

なれない。



君が誰のものでもない

ように。



君は ほんとは

そのことを

どんな大人よりも

よく

知っているんじゃ

ないだろうか。



人は だれもが

断崖に棲む鷹 だと。




君は 今でも

私のところへ

話しにくるんだね。



そうだ

話をしよう。



時には

むきになって

けんかもしよう。



何より

君の笑い声が

聞きたいな。



一人ぼっちで

だれのものでもない

わたしは



君が大好き だ。



断崖から

飛び立とうとする

鷹のような



凛々しい子供の

心をした



一人ぼっちで

だれのものでもない

君が。




2010年11月22日

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