青空の書庫
□雷鳴
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未明、
落雷が
地を つらぬく ように
自らを
たたきつけた。
地の 震えに、
記憶が めざめて
胸を 塞ぐ。
息ぐるしい まま
あのひと の ことば に
アクセス する。
どこか 似ている
胸の くるしさと、
想いの 籠る
ひとのことばに
救われている、
どこか 似通う こころが在った。
しるされた 時刻は
約20分前。
落雷は、
あのひと の いる
西から
来た らしい。
簡単に 繋がっている
とは いえない。
たやすく
通じ合っている
とも、いえない。
けっして 手放しで
幸福を感ずることの
できない、
シンクロ。
かすかな よろこびも、
ただちに
哀しみに みちてゆく。
夜明けと ともに
雷鳴が、去る。
友の
ことばを
穹の ひかりの
ように
胸にのこして
こころ を 鎮めて
いちにちを、
また はじめる。
2010年10月14日