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□いつか、出逢う日を I
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グラハムが、元居た世界の物語の中で、出逢って欲しかった人。それはふたりいます。



ひとりは、グラハムにとっての、本当のライバル。


お互いに、架け橋もない、遠く隔たった河岸の向こうにいる『敵』同士。そして各々、全く異なる背景を背負い、自身が失い、自分が失わせた、どちらもかけがえのないひとたちの重さを抱えて生きている。


遠く隔たっていても、機体の交錯する激しい戦闘の中で、

互いの岸の向こうから、

グラハムの言葉が、彼に届き、

彼の言葉が、グラハムに届く。


最初は何を言っているのかわからなくても、

次第に、相手の言うことが聞き取れるようになり、

そのことが、二人の闘いをも動かしていく。


『歪んでいる』
『歪みを、自分が断ち切る』
という決めつけた言葉を、相手にぶつけるのではなく。


逆に、グラハムからも、
「なぜ君は戦う?」
と問われるような。


グラハムは、なぜかはわからなくても、
「君だって戦っている」
と、目の前の相手を現実のまま見据えられる人ではあるけれども。


その彼が、敢えて
「なぜ戦う?」
と問い、

それに対して、さいごに、誰にも言えなかった思いを、ようやく絞り出すような。


そんなライバルの「少年」に出逢って、戦って欲しかった。



スレーチャー少佐を失ったグラハムの、遠い未来の言葉、そこに秘められた思いは、本当のライバルに向けられ、正面から受け止められ、また返ってくるものであって欲しい。


それが、自分の中での、物語の辿り着くところです。


もうひとりのことは、またあらためて。


       2014.10.12.

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