skyward

□詩編 III
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詩編IIのあと書いた詩から。








悩み
2010.12.14.

偶然と 選択とを
重ねて
この腕に
懐き取った
ひとつ の
魂を

何処に
さいご の
ふるさと を
見つけて

そっと
抱きおろせば
良いの だろう



‡ずっと彼の場所を探し続けていたような一年間。








いつから
2011.1.31.

いつから あなたは
救われたいと
願うよりも
自分で 自分を
救う 子供に
なったのだろう

いつから あなたは
愛されたいと
希うよりも
黙って 人を
愛するひとに
なったのだろう

失ってきたものを
何一つ
決して忘れず
きのうの自分を
越えてゆく

自分を支える
心の底の
そんな大空を

いつから あなたは
手にしたのだろうか。








 風 光

まだ翼になる前の
柔らかな羽根たちが
空の風に流れる。

目の高さで静かに飛ぶ
赤トンボ。
高速で舞い上がる
黒い蝶。

日射しは夏の黄金から
初秋の白金に
変わってゆく。
晩秋の銀よりも暖かな
日に透ける
あなたの髪の色に。

あなたが生まれた
季節の風景を
今自分のいる場所で
見ている。

あなたの生まれた
ふるさとで
あなたは
どんな景色を見て
生い立ったのでしょうか。

戦いの場での
あなたしか知らないから
そんなことも
これから
知りたいのです。



‡昨年のグラハムの誕生日に寄せて。








 冬の翼

ひかりと 溶けあう
蒼い窓からは、
地球が見渡せる。

いちめんに
翼のかたちの
霜がはりつめた朝、

あなたは
日射しに輝く
ひとつの翼を
選びとった。

あなたが それを願い
試み続ければ
翼は かならず
命を 得る。

あなたが 信じる
人びとの手で
しずかに
地上に降ろされるだろう。


己を 信じる
あなたの 熱を点して
強靭な羽ばたきで
空へと駆け昇るだろう。



‡2010年12月6日に別所に投稿した詩を改題、
 現在の気持ちで改稿。
 オリジナル太陽炉を搭載した機体が、
 グラハムと、彼と共に戦う人々の翼となる
 ことを祈って。



初出・2012/01/10 フォレストブログ
 

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