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□詩編 II
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詩編の続きです。
今回はコメントは最小限で。




心訳・好きな詩歌 II
2010.10.26.

耐えて、

耐えて、

蒼空の もとで
耐え抜いて!

沈黙の
一瞬 一瞬が、

みのり むすぶ
ときへと
活きるのだ。


  ポール・ヴァレリー
    『棕櫚』より



‡昔、自分が励まされた
 詩句に、今は強く、
 グラハムを感じて私訳。







虹の航跡
2010.10.28.

虹は、
たいせつな ひと
  の存在に 似ている。

決して あの日
消え失せた、
  のでは ない。

いまは ひかり の
むこう に
  遠ざかっている だけ

重く 頭上に広がる
鈍色の雲
  を 越えて

はるかな
蒼空に
  挑(のぞ)む とき。


一心に 弧を えがく、
  あの日よりも ずっと
ちからづよい
虹 を みた。

心の中で
日ごと
くっきりとしてゆく、

まっすぐ に
どこか を
めざし つづける

そのひと の
航跡 を みた。








心かなしむ日に
2010.11.2.

心 かなしむ 日
翼 背負うひと は
空 へと還るだろう

雲も 風も 光も 雨も
虹も

なにひとつ
とどまることのない
この空を

駆けて  駆けて
ひたすらに
哀しみを 振り切る まで


心 かなしむ 日
地中深く 根を張る
木のような わたしは

いつまでも
そのすがたを
見上げているだろう

二度と おなじものを
眼にすることはない
この空で

生きて  生きて
ひたすらに
生きる哀しみを 振り切る

あなたを

みつめつづけて いつか
心 ひらき
瞳 あかるむ まで








いたみ
2010.11.4.

かなしみの
いたみ が
そんな に
大きい なら

そこから

赤ん坊 の ような
あたらしい 物語 を

産み出して みると いい

涙のような
儚い胎児を
抱えた ままの

自分よ。
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