skyward

□詩編 I
2ページ/2ページ

追ってきた道
2010.9.28.

そのひとの
生きた道を
追ったのは

そのひとを
恋うる きもち
愛おしい という
きもち とは
ちがっていた

きずついた ひとが
おだやかに
てあてを ことわって
ひとり
いっしんに
よるの みちを
あるいてゆく あとを

なにも できず
だまって
ついてゆく ような
そんな
おもい だった



‡二期のグラハムを
 思って。








心訳・すきな詩歌
2010.9.28..

いまに
はじまった
ことじゃない。

ひとは
むかしから
もっと もっと

だれかを おもう
想いの あまりに

声 さえ
あげて
哭いて きたんだ。


(本歌)
今のみの業(わざ)には
あらず
古(いにしへ)の人ぞ
まさりて
哭(ね)にさへ泣きし
    柿本人麻呂



‡以前から好きだった
 万葉集の一首を意訳。
 劇場版後の心情の一端。







砕けた思い
2010.10.12.

くだけて
ちらばった
おもい に
ことば で
孔を 穿って

切れない
糸 を
徹(とお)して

この胸に
するどい ピン で
ふたたび
繋ぎ とめたい








物語の終わりに
2010.10.12.

あたえられた
ものがたり に
うまれて はじめて
いだいた
はげしく するどい
疑問

ものがたり の
なかでぐらい

うしなわれた もの は
とりもどされ なければ

きずつき つづけた
ひとは きずを
いやされなければ

愛を得られなくても
自らふかく だれかを
愛してきた ひとは
こんどこそ
心底 愛されなければ

深い水脈が
地下をめぐり
樹木の根を うるおして
やがて
ひとの
臓腑に しみとおる
ほどの
真水となって
地表に
湧き出るように

ひとを こころから
なっとくさせる
みちすじが
なければ

あたえられた
かなしく むごい
結末は

こころを 傷め
希望を
うしなわせる
だけ だ



‡この気持ちは、
 変わらない。


☆詩編 II に続きます。



初出・2010/12/17 フォレストブログ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ