夢小説

□私とバスケ部と疑問
1ページ/3ページ

「どーーーなんてんスかね?」
「どーーーなってんだ?」

森山と黄瀬は二人で忍者のように壁にくっついたまま首を捻っていた。


「彼女、確かに中村のこと名前で呼んでたよな?」
「っスね。で、その後、中村センパイに謝ってたっス。すげぇ気まずそうに」
「中村はほぼシカト状態だったけどな」
「で、今の早川先輩の好き発言」
「うーーーん」


ちなみにこの二人が張り付いているのは、視聴覚室から一番近い自動販売機のすぐ裏の壁。
なぜ二人がそんなことをしているのかと言えば、気になる二人をウォッチング!という名のいわゆる野次馬である。

「はっ!?俺、分かっちゃった!?」
「なに!?なんスか!?」
「名字ちゃんって中村の元カノなんじゃねぇの!?で、その中村の元カノに片想いしてる早川!!」
「森山センパイそれっスよ!!だから咄嗟に名前呼んじゃって名字センパイ謝ってたんんだ!!うわぁ、一歩間違ったら、泥沼っス!」
「いやいや、中村と綺麗に別れてるんだったら、別にいいだろ?あ、でも無意識に呼んじゃったってことは名字ちゃんの方には未練が・・・」
「ってことは一方通行の三角関係っスか!?でもそのこと早川センパイは―――」




「おい、森山ァ、黄瀬ェ、てめぇらいつまで休憩してるつもりなんだ?あ”?」


昼過ぎのOLよろしく盛り上がっていた二人の背後に迫る黒い影。
二人が振り向いて次に見たモノは、飛んでくる笠松の足蹴りだったことは言うまでもない。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ