夢小説

□バスケ部とテストと私
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さて、学校生活でお決まりの行事の一つといえば、テストが真っ先に挙げられると思う。
期末よりは中間の方が若干の余裕がある、というのはあくまで帰宅部の言い分で。
我が海常高校は赤点三つ以上取った生徒は、部活停止処分となり、放課後は補習授業となるので、試合を控えた部活はどこも必死だ。

「うわぁあああ!!どうしよう、名字!!」
「あーうん、大変だねぇ」

ここまで言えばもうお分かりだろう。
そう、ヤバイのは主に目の前の早川だ。
と言っても、決して頭が悪いわけじゃなくて、とにかく早とちりとケアレスミスが多い。だから何度も見直ししろと言っているのに。

「名字!!教えて!!数学と!英語と!国語と!あとっ!!」
「・・・・全部ってことね」

正直早川に教えられる自信はない。かといって涙目で頼んでくる友人を見捨てるのも如何なものか。


「とりあえず赤点取らなきゃいいんでしょ?バスケ部の先輩とかに教えてもらったら?」
「勉強会っやるって!言ってたけど!!主将達は、黄瀬で手一杯だって!!」
「あらまぁ・・・」

そりゃエースが赤点で試合に出れないなんて一大事だろう。
どうやらスポーツ万能のモデル君も頭の方はあまりよくないらしい。うん、でもその方が親近感は湧くと思う。


「なかむ(ら)にも教えてって言ったら、嫌だって言わ(れ)た!!」
「そ、そうなんだ・・・・」

まぁ、それも仕方がない。
なにせ早川に教えるのは根気がいる。
ああ見えて意外と短気な真也に、早川の先生役は向かないだろう。

「わかった。教えてあげるから」
「ほんとか!!じゃあ、視聴覚室行っくぞ!!」
「え、なんで?教室でいいじゃない」
「みんなっ、い(る)か(ら)!!」


いつの間にか二人分の鞄を持った早川に腕を掴まれている。

というか、ちょっと待って!!


みんなってバスケ部なんじゃないの!?
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