「はひ、獄寺さんいらっしゃいませー」 「…おぅ」 ハルがコンビニでバイトを始めて以来、彼女がシフトに入っているときは毎日のように獄寺は現れた。 というのも、彼女を目当てにやってくる男性客がここのコンビニに増え始めたためだ。 「もうすぐ終わるので待っててもらって良いですか」 「ちっ、面倒くせぇな」 と眉間に皺をよせながらも、結局獄寺が待っててくれることをハルは知っている。 バイト終わりを見計らって来店するのは、ハルを家まで送り届けるためだった。 自分を心配してくれることも嬉しいし何より迎えに来てくれることで毎日のように会えるのは、ハルにとってはちょっとしたデートみたいで幸せな気分になれる。 |