「お、お願いします…」 ベッドの上で正座して、頭を下げる。情けないとか言わないで欲しい。どんなに情けなくたってこうするしかないんだから。 ■君とオレの○×事情 同じくベッドの上で膝を突き合わせていたハルは困ったような顔で視線を彷徨わせている。 ダメツナと言われる草食男子代表みたいなオレでもそれなりに男なわけで、それなりに欲求があって、ハルに触れたいとか毎日悶々として夢にまでえーぶいみたいなハルが出てきちゃってどうしようもなくなって悩んでいたら、ハルに心配されて、ベッドの上で(なんでベッドの上!!)膝を突き合わせなんでも言って下さい!とタイマン相談会を開催された。 普段無防備にくっついてくるのはハルなのに、エロいことに抵抗があるハルにどうしたら触れることができるのか膝を突き合わせたまま15分くらい無言で考えて考えて考えて、でも答えはでなくて、もう直球で『胸に触らせて下さい』とお願いすることにして今に至る。 「ハルはエロは嫌いです…」 「う、はい…」 やっぱりダメかぁ、とうなだれていると、布団の上に付いていた手を取られてグイ、と引かれた。 「うわっ!?」 少しバランスを崩して前のめりになったオレの手がふにゅり、としたものを鷲掴んだ。 「っ!?」 「で、でもツナさんなら、ハル、いいんです…」 「え、」 「ツ、ツナさんが、ハルに触りたいって思ってくれるなら…いくらでも触ってくれて、いいんです」 最後の方はもう消えてしまいそうなくらいの声だったけれど、その言葉はしっかりとオレの耳に届いた。 耳まで真っ赤にして俯くハルの手が重なるオレの手の下で、ハルの鼓動を感じる。トクトクトクとものすごい早さを刻んでいるそれがなんだかおかしくて嬉しくて顔がにやけた。それを気配で感じたのか、オレを見る瞳が恥ずかしさと少しの怒りで潤んでいる。 「な、な、なに笑ってるんですかっ!ハ、ハルはですねぇ!」 すっごく恥ずかしいの我慢してですねっ、と泣きそうに叫ぶハルの目蓋にオレは一つ唇を落とした。 「うん、ごめん…ありがとな」 「〜っ///」 悔しそうに口を結んだハルのもう一つの膨らみにオレはそっともう片方の手を伸ばした。 END |