最遊記

□玩具
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「ふっ…っ…や…め…」

「へぇ、肌白いね〜。」


する・・・と腹の傷を撫でると、翡翠の瞳でキッと睨まれる。
声を出さないようにときつく噛み締められた唇からは血が滲んでいた。


「あ〜あ、血が出てるじゃない。」


舌で舐めると余計にきつく口を結ぶから、強引に割り込ませて開かせる。


「ンゥ…っ、ん…ん…っ」

端からつたう唾液がエロい。
くせになりそうだ。

口内を犯しながらズボンのフロントを寛げる。
抵抗しようとしていたが、僕が全身を押さえ込んでいるから無駄だ。


布の上から股間を触ると、若干勃ち上がっていて思わず口角が上がった。

「濡れてるよ。感じたの?」
「んんっ…!!」

首を横に振って否定してるけど身体は正直だ。
そのまま布越しにじりじりと刺激して追い詰める。

中の欲望はもう張り詰めていてびしょびしょだ。


「うぁ…っ、は・・・う…ンッ…」

「クス…もう、イキそう?」


太ももがビクビクと跳ねて、彼は喉を反らして喘ぐ。
でも・・・、


「ダメ。まだ、イカせない、よ?」


唐突に手を離す。
「あっ…ッ」


寸前で刺激が止んで、彼から非難がましい声が漏れた。

解放を望んで無意識に揺れる腰はとてつもなく卑猥だ。


「イキたい?」
「っ…」


濡れた翡翠は欲情を色濃く孕んでいる。
唇からせわしなく零れる吐息は熱い。


「イカせてって言えたら、イカせてあげる。」
「ッ…、この・・・っ!!」


文句を吐き出す前に濡れている部分に触れる。
でも、手は動かさない。本当にただ触れているだけだ。


「あっ…も…」

もう少し、もう少し。


もう少しでこの綺麗な生き物は自分のもとに堕ちてくる。


「ッ…、・・・て」
「ん?何?」



「も…、イカ・・・せて・・・ッ」



勝った。



「いい子だね。いいよ、イカせてあげる。」
約束どおり触れていた手を上下させて解放を促す。


「ああッ…ァ…んっ…ひ…ァ…ッ!!」


ひときわ大きく跳ねて彼が達した。
うつろな目で荒い息を吐いている彼を抱き抱えて、その半開きの唇をキスで塞ぐ。


「君は、僕の玩具(モノ)だよ。」



今日、とても綺麗なおもちゃを手に入れた。



(だからね、ほらね、覚悟して。)



End

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