デュラララ
□ああ、報われない
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君なんて、嫌いだよ。
優しいところも、
酷く人間らしいところも、
全部、大嫌いだ。
***
初めて見たときは純粋に好奇心で近づいた。
俺は化け物だった君に興味をもった。
だから、今の君はつまらない。
誰よりも人間らしくなってしまった君。
久々に池袋にきて、見かけた君は
想像よりずっとずっと遠くにいる気がした。
「いーざーやーッ!!」
「あは、君も暇だね〜シズちゃん」
ナイフを持ってる手が震えてる理由なんて知らない。
本気の殺意を向けられて、苦しいなんて思ってない。
若干、視界がぼやけてるのなんて嘘に決まってる。
「?…おい、臨也?」
「・・・シズちゃんなんてだいっきらいだよ。」
背を向けて走った。
後ろから何か叫んでいるのが聞こえたけど、そんなの無視。
適当な路地裏に入って
壁にもたれて息をはいた。
流れてきた涙が滑稽だった。
***
(ああ、報われない。)
(一番報われないのは、そんな彼に恋した自分。)
End