デュラララ

□気付かないフリ
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「あ…っ、あ、んっ…」

目の前で乱れる腰を掴んで
さらに深くまで自身を突き入れる。
四つん這いだった臨也の身体はとっくにうつ伏せになり、
腰だけを高く上げている状態だった。
そんな獣じみた格好にさらに支配欲を煽られて、四木は律動を繰り返す。


「ああっ…ふ…んぅ…」
「大丈夫ですか?折原さん」
「あっ…大丈夫な…わけっ、なっ…、は・・・んっ」


涙で潤んだ目で睨まれても、怖くはない。情報屋なら、いや、男に抱かれ慣れている彼ならば、
そんなことがわからないはずはないだろうに。


肩にピリッとした痛みを感じた。
見ると、赤く爪で引っ掛かれた痕がある。


「行儀の悪い猫ですね…っ」
「ひっ…や、ぁ…あんっ…あ…」



前立腺を抉るように突く。
彼の太ももが絶頂の予感に痙攣している。

「あっ…四木さ…、はぁ…あんっ…、四木さんっ…イクっ…!」


俺の名前を呼びながら、彼は達した。その締め付けに自分も中で絶頂を迎える。


荒い息を吐いて、ぐったりしている身体を自分の胸に寄りかかるように抱き上げて
再び律動を開始した。


「まだ・・・だぜ、折原・・・」
「やぁっ…な…で、ふぁ…んんっ」


何度抱いても飽きることのない身体。
耳に残る声。


それらが自分だけのものだったらいいのに、と似合わないことを考える。
切なさを誤魔化すように、欲望のままに目の前の身体を貪った。


「ああっ…ん…や、も…ダメ…」


「四木さ…イクっ・・・やぁっ…あ、あ…ああっ!!」


ビクッと硬直した身体が徐々に
体重を預けてくる。
意識を失くした身体を持ち上げると、溢れ出す白。


その光景を見て、不意に頭を占めた優越感には気付かないフリをした。


(彼が愛しいのだと認めるには)

(まだ早い)


End

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