戦国BASARA

□夜色に染まる
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月が照らす夜半過ぎ。

木々の間を駆け抜け、佐助が向かうのは北の国、奥州。


目当ての城のその一角。
無防備に開け放たれた窓際に寄りかかって、月見酒を楽しんでいる竜がいた。


「あ〜あ、相変わらず無防備なんだから。」


呆れを装って、隣に降り立つ。

「Ah?こんなに月が綺麗な夜に、
閉めきって過ごすなんてできるか。」


風流に浸る竜は儚げで美しい。

「それに、」

濡れた唇で謳うように、甘い音を奏でる。


「お前が来るかもしれないだろ?」


お前は俺が寝てたら起こさないから。
佐助が来たときは会いたいから。


だから、窓を開けておくのだ
と言う。


嗚呼、

「もぉ、ホントに…」


どうしてくれよう。




「なぁ。kiss me」

伸ばされた手を握って、引いて。
ありったけの愛を込めて。


愛おしくて仕方がない。
このまま離したくない。


いっそ、連れ去ってしまえたらなんて。
今までに何度、思っただろうか。



吐息を奪うように舌を絡める。
細い腰を折れそうなほど抱き締める。


世界がいつも夜だったら。


竜が好きな月の下で、
夜目に紛れて二人きりで。


そんな世界もいいかもしれない。
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