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□安心できる場所
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名無しさんは宿でのんびり寝ていた時になんだかガサガサと音がして目が覚めた。


「・・・起きたのか?」
『ん〜・・・なんか音がしたから』
「まだ寝てていい」


ポベートールは杖を持ってどこかに出かけそうな感じがして、名無しさんは一応聞いてみた。


『・・・どこか行くの?』
「あぁ。ハデス様に呼ばれている。行ってくる。・・・きっと今日は重い仕事だ」
『一緒に行っちゃダメかな?』
「お前は、来ない方がいい・・・悪夢は伝染する」
『そっか。・・・いってらっしゃい』


名無しさんがそう言った後にポベートールは名無しさんの頭を撫でてからそのまま出かけていった。名無しさんは撫でられたところに手をのせて思う。


『(相変わらず表情が読めないなぁ。行動からして嬉しいんだとは思うけど)』


“あ〜あ、モルフェウスやパンタソスがうらやましいなぁ・・・”と、ポベートールの表情の読み取れる彼の兄妹二人のことをうらやましく思いながら、ベットに戻って再び寝ることにした。


数時間して再び起床したときには昼を回っていた。簡単に昼食を作り、着替えてから、名無しさんは武器の手入れをし始めた。本来今日は魔神を倒しに行く予定であったが、ナビィから休めと言われたからだ。冒険続きだったこともあり、たまには休めと言われたので、今回はしかなく休んでいる。それにポベートールが仕事だということもあったからだが・・・。


『(今頃、冥府にいるんだろうなぁ)』


一度手を止めて窓に目をやった。ここのところ守護神をポベートールに頼んでいたこともあり、一緒に過ごす時間の方が長かった。だからいつも以上に静かに感じてしまう。


『(・・・寂しいのかな)』


“前まではこんなことを思うことがなかったのに・・・”と思いながら、武器の手入れが済み、武器をまとめておいて、窓の外眺めて過ごした。



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