カルテット☆ヴァンパイア

□始まりは些細なことで
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「真由ちゃん………いい匂いだね……」

「え……?
寿さん……?」

「最初からうまそうな匂いはしてたけどよ………」

「あ、あの黒崎さん………どうしたんですか……?」

「ねぇ、味見させてよ」

「美風さん………?」

「甘い香り………香りだけでこんなにも満たされるとはな」

「カミュさん……?」




皆の目がいつもと違う………。
まるで餌に飢えてる獣みたいな………



「指、貸して真由ちゃん……」

「え……あ…っ!」

「……っん…………」



寿さんが私の指を舐める。
すると、さっきまで切れて血が出てたところが塞がって治っている。
どういうこと……?



「おいしいね………今まで味わったことないくらい」

「こ、寿……さん……?」

「レイジ………次は僕の番だよ」




美風さんが近づいてきて思わず後ずさるが、あっという間に壁にぶつかり、逃げ道を塞ぐように顔の横に手を置く。



「美風さん…やめてください……!」

「無理…我慢できないから……」

「何言って………っあ!?」



首筋に痛みが走る。
その瞬間何とも言えない感覚が、身体中を巡ってジンジンする。

これって………血を吸われてる……!?



「や……っ…ぁ…!//」

「ん……っんく…………はぁ……最高だね……」

「は……ぁ…っ//」




頭の中が混乱して、真っ白になる。
そのまま美風さんに凭れて意識を手放した。




「おい……俺たちが吸えてねぇじゃねぇか!!」

「美風……貴様………!!」

「いいじゃない別に………いつも僕は我慢してるんだから」

「でも気を失っちゃったね?
どうするのアイアイ?」

「連れて帰るに決まってるでしょ?
僕たちの屋敷に」



真由を抱いて楽屋を出て屋敷に向かう。
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