夢 ショート
□love time
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「藍ちゃん・・・アイアイ・・・藍様・・・」
「さっきからブツブツうるさくて作業に集中できないんだけど」
ずっと後ろ姿のまま、パソコンに向かっていた藍が振り向いた。
「ごめん!でも、藍のこと他の呼び名で呼びたくて♪」
「なにそれ、普通に藍でいいよ」
「たまには違う風に呼んでみたくなるじゃん!」
「別に」
それだけ言い放つと、またパソコンに向き直りタイピング始める。
藍、私よりパソコンのほうが好きなんだねっ!?馬鹿!おたんこなす!
そんな藍に、後ろから耳元で囁いてみることにした。
「藍さん」
小声で、語尾にハートをつけるかのように甘く囁く。
藍の耳は真っ赤になっていき、タイピングの手止まった。これは・・・!?
なんて期待した私だった。
「気持ち悪いからやめてくれない?」
えええぇぇ!
なんで!?
「・・・藍の馬鹿。」
藍は尻目で短く息を吐く。
藍、ずっとパソコンしてるし・・・もしかひて私邪魔かな?うぅ・・・
「藍、私もしかして邪魔?」
「邪魔・・ではないよ」
それから1分近く黙っていると、藍が口を開いた。
「少しだけなら、構ってあげないこともないよ」
「ほっ、ほんと!?」
藍は椅子から立ち上がり、私が座っていたソファーの隣に腰を掛ける。いつもは、こんなに
優しくないのにいきなり優しくされたら気が動転してしまう。ドキドキなる鼓動を自分で実感すると、藍がやっぱり好きなんだと改めて思う。
「藍、抱きついていい?」
「いいよ」
そのまま藍にギュッと抱きつくと、すごく安心できて幸せな気分になった。藍も腕を回して、私を抱きしめてくれた。
「藍大好き!」
なんて言ったら、抱きしめてる腕を離してそっぽ向いちゃったけど、顔が赤らめてるような気がした。
「やっぱりせめぽぬめは邪魔だよ」
「えっ」
またPCに向いて作業する藍。でも藍とほんの数秒でもずっと近くにいれることが私のなによりの幸せだから。