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□恐怖!木手汁
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「なぁ、凛?」
裕次郎が暇そうに机に座りながらその隣の席で同じように暇そうにしている凛に話しかけた。
「あい?」
「えーしろーがさー」
そういって裕次郎は机から降り、永四郎のものまねをはじめた。
「≪最近皆さんの動きが鈍っていますね。青学の乾君を見習って乾汁ならぬ"木手汁"というのを作ってみようと思います≫って言ってたさー」
「えっ!!じゅんにか!?」
「ちゃーするか」
「.......ゴーヤーを全部燃やすか?」
「いやいやいやいや。絶対永四郎に殺されるさー...」
「だるなー」
うーんと二人して本気で悩みはじめた所に永四郎に言われ二人を迎えに来た田仁志が声をかけてきた。
「二人してぬーそんなに考え込んでるんばー?」
「永四郎がよー、ゴーヤーを使って"木手汁"を作るらしいんやっし」
「それを防ぐにはどうするかってね」
そう聞いて田仁志は少し考えてから嬉しそうに言った。
「旨ければいいやんに」
「「えー...」」
その答えを聞いて二人は落胆した
「もういいさ。慧くん後で行くから先に行ってて。永四郎には遅れるっていってほしいさ」
「わかった」
裕次郎に言われ、素直に田仁志は部活に向かった。
「...わったーも早く行かないと永四郎に怒られるさ」
「やしが木手汁は?」
「うーーん...永四郎に直談判するしかないか」
「そうだな」
二人は真実を確かめに部活へ向かった。
「遅いですよ、二人とも。もう準備体操は終わったので早くしなさいよ」
「え、永四郎!!木手汁は...?」
裕次郎が恐る恐る聞くと永四郎はちょっと考えてから答えた。
「あなた方がまじめにやらないようでしたら考えましょうかね」
そういってにやりと怪しく笑った。
その反応をみて凛と裕次郎をはじめ他の部員全員が震え上がった。
その日から木手汁を恐れて部員達はまじめに練習するようになった。
END