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□甘い蜜
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姉の杏と友達の一馬が付き合い始めて2ヶ月が過ぎた。
相変わらずの二人は付き合い始めのように毎日イチャイチャしていた。
「かずくーーん!次のバスケット出るんだよねー?」
「うん、理人も出るよ」
「応援してるから頑張ってねー!かず君大好きーーっ!!」
今日は球技大会で、俺と一馬は次に出るバスケの試合を待機していた。
杏…あんな遠くから大声で…あんなのが姉でものすごく恥ずかしい…
「おー、熱烈な応援だなぁ…一馬の彼女って理人の姉ちゃんだっけ」
「知らん!あんな恥ずかしい姉うちにはいねぇよ」
「理人の姉ちゃん可愛いのに贅沢な奴だなぁ!」
「可愛くねぇよ」
今まで杏にはどれだけ振り回されたことか。
「あ、時間だ」
球技大会のバスケはバスケ部の奴らは出られないので、俺達が中心にならなければならなかった。
体育と違って試合はなかなかの白熱だ。
こっちのチームの奴が投げたがボールがコートのラインを出そうになって、球技大会くらいでそんな事もする必要はなかったが俺はバスケ漫画のようにそのボールがコートの外の床に着く前に身をコートから投げ出してボールを追い掛けた。
その時だ。
「うぉっ!!」
「ひゃっ…」
人がいないと思っていた俺が飛んだ先に人がいて、俺はその人もろともコートの外に倒れ込んでしまった。
「いてて…す、すいません…ん?」
顔に柔らかいものが当たっている。
それになんだか甘く、良い匂いがする…
なんだこれ?
無意識にそれを掴んだ。
「ま、理人ッ!おま!それは…」
「え?」
「……///」
俺は今の状況がわかるとかたまった。
今の状況。
俺は女子の上に跨がっていて、その子の胸を鷲掴みにしていた。
急いで離す。
「ゴメンッ!わ、わざとじゃないんです!本当にすいませんでした!」
俺は必死で土下座までして謝った。
ヤバイ…ヤバすぎる!
こんな公衆の面前で…
「……ん…大丈夫…」
なんだか甘い?なんていうんだろ?雰囲気のある声だ。
その子はゆっくり立ち上がった。
そして、何事もなかったように行ってしまった。
試合に戻って、俺達は楽勝で優勝した。
「理人君ー?おっぱいどうでした?」
「ちょ…やめなよ…理人結構気にしてるんだからさ…」
「…俺ヤバイ事した…後でまたあの子に謝らないと…」
「そんな気負う事ないだろ?それに向こうだっておっぱい触られるくらい慣れてるよ」
「え?なんで?」
「そんな奴いねぇだろ!」
「全く一馬と理人は女の子の情報に疎過ぎ!理人がおっぱい掴んだ子うちの学校の“あまなつ”じゃん」
「なんだそれ…?」
「男なら誰でも知ってて当然の天野菜摘(アマノ ナツミ)を知らないと!?うちの学校で抱きたい女第1位だぞ!人気AV女優と似ててさぁ」
「抱きたい女第1位?なんで?どこで集計とったんだ?」
「なんでって見ただろ!?あのえっろい身体!触っただろ!?あのえっろいおっぱい!聞いただろ!?あのえっろい声!」
「な、なに興奮してんだよ…俺はあの時謝る事に必死だったんだ!エロいとか考えてねぇよ」