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□♡僕達の大事なもの♡
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「大貴(ダイキ)!!おきなさいー!!」

「……んー……あと10分……」

「そんな余裕ないって!遅刻するよ!もう!いい加減自分で起きてよ!」


毎朝の同じ光景。

隣りに住む幼なじみの萌(モエ)が毎朝うちに朝食を作りにきてくれて俺を起こしに来る。

うちは父子家庭なのでかなり助かっていた。

親父の作る朝食は黒い塊だからな…


「大貴、早く起きないと萌ちゃんの作った朝ご飯お父さんが全部食べちゃうぞ?萌ちゃん本当いつも悪いね」

「ううんッ…お料理大好きだから毎朝作れて嬉しいの」

親父にそう言われてノソノソと起きて萌の作った朝食を食べる。

適当に支度をして萌と一緒に学校に行く。


「大貴、ネクタイもっとちゃんと締めないと」

「…これでいいんだよ」


毎日こんな感じで萌はつき合ってるわけではないけど、いて当たり前みたいな存在だった。



学校に着いて教室に入ると色んな学年やクラスの女子達がうちのクラスの前に大集合している。


「キャアァ!!おはよぉ!」

「やぁん!今日もカッコイいー!」


黄色い歓声

女子達は一気に群がる。


ドンッ

「ちょっと邪魔!どいて!」

「結翔(ユイト)様ぁぁ!!」


女子に突き飛ばされる。

もちろん黄色い歓声は俺に向けたものではない。

「ちょっと大貴大丈夫?ボーッと立ってると危ないよ!ほら」

「萌…ありがとう…」

同じクラスの成瀬結翔(ナルセ ユイト)。

女子からものすごい人気だ。

金持ちの上に、かなりの美男子、スポーツも勉強もトップ。

来るもの拒まず。

うちの学校の大半の女子は成瀬に処女を捧げたとの噂。


「成瀬君の人気すごいよね」

「男からしたらあいつは敵でしかねぇよ。この前も隣のクラスの奴が彼女とセックスの時にあいつの方がうまいって言われて振られたんだと」

「噂でしょ!真に受けないのー…ほら、成瀬君だってネクタイキチンとしてるんだから見習ってちゃんと締めて!」

「あんな奴見習いたくねぇよ!」

「ちゃんとした方がカッコいいよ?」

「……なんだよ?萌も成瀬ファンだったんだ?」

「え?違ッ…そういうわけじゃないもん…」

「頼めばヤってくれるらしいし、処女もらってもらえばいいんじゃね?」
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