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□彼の性癖
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友達作りの苦手な私にとってクラス替えはすごくツラい。

一年生の時時間かかってやっと仲の良い子が数人出来たのにみんなクラスが分かれてしまった。

クラスが変わって2ヶ月が過ぎてもまだクラスの子と馴染めない。


そんなある日の事。


掃除当番を終えて帰ろうと下駄箱に行くと外は雨が土砂降り…

折りたたみ傘も持ってないしどうしよう…

「うひゃぁ…雨すごーい…」

声の方を見ると同じクラスの多分学校内で一番小さい小山さんがいた。

周りに他に誰もないけど…私に言ってるのかなぁ?

「…えっと…本当すごいねぇ」

「雷もゴロゴロいってるし怖くて帰れないよー」

「…止むまで待ってるの?」

「むぅ…あのねぇ…淳君…あ、淳君って彼氏なんだけど…淳君に今日は委員会で遅くなるから先に帰ってなさいって言われたのー…でも一緒に帰りたいし、雷も怖いから待ってても大丈夫かなー?」

「へ!?えーっと大丈夫じゃないかな?」

小山さんって初めて話したのに、仲良い子みたいに話すんだぁ…。
しかも、悩みが可愛い…


「じゃあ淳君の事待ってるー!」

喜んでる…可愛いなぁ。
よっぽど彼氏の事好きなんだろうな

「ねぇ!優菜(ユウナ)ちゃんはどうするのー?」

私の事名前まで覚えててくれてる…

同じクラスの子に覚えててもらえてすごく嬉しかった。

「あ、あたし!?もう少し雨弱くなるの待とうかな…」

「じゃあ、一緒に待ってよー?」

「うん…」

小山さんと教室で待つことになった。

教室で小山さんとお喋りをする。

「琴美ねぇ、さっき優菜ちゃんに話しかけるのすっごく緊張したのー」

「えーそうなのぉ?」

「うん…琴美、お友達作るの得意じゃないからいつも幼なじみのお友達としか仲良く出来なくて、また違うクラスになっちゃったから…淳君も違うクラスになっちゃったし、ちゃんとクラスでもお友達作りたいと思ってて」

「そうなんだぁ…あたしもなかなかクラスに馴染めなかったから小山さんが話し掛けてくれて嬉しかったんだぁ」

「そうだったのー!?じゃあ、琴美とお友達になってください!」

「う、うん!よろしくね」

「あのね!琴美の事、小山さんじゃなくて琴美って呼んで!」

「え!?こ、琴美ちゃん…?」

「ふやぁ…嬉しい!」

琴美ちゃん本当可愛いなぁ…

やっとクラスにお友達が出来た。


しばらくお喋りをしていると、委員会で集まってた人達が廊下にガヤガヤと出てきた。


ガラッ


教室の扉が開いて入って来たのは男子3人。

その3人は同じ学年でカッコ良くて有名なメンバー…女子から人気が高いから私でも知っていた。

「琴美」

「あ!淳君っ!委員会お疲れ様ー」

!?

琴美ちゃんが駆け寄ったのはその中でも一番人気の高い大野君だった。

彼氏って大野君の事だったんだぁ…すごいカッコ良い彼氏だぁ

「小山ー!俺にもお疲れ様してくれよー」

「ひゃはッ!武山君お疲れ様ー」

「あー!癒された!小山ありがとー」


武山君は同じクラスだ。
確か近い席の子達が同じクラスになれて嬉しいって言ってた。

あのイケメングループと仲良いのかぁ…琴美ちゃんすごいなぁ

「ねーねー!琴美お友達出来たから紹介するねー!同じクラスの谷本優菜(タニモト ユウナ)ちゃんだよー」

「え!?え!?あ…///」

恥ずかしい…

私はお辞儀をした。

「あ、知ってる!俺と鴨宮(カモミヤ)同じクラスだもんな!」

「…」

「小山と一緒に俺達とも仲良くしような!」

「あ…うん!」

「よっしゃー!クラスの可愛い子と仲良く出来る!」

「え///そ、そんな!」

武山君は気さくな感じだけど鴨宮君はきっと今後も話さないだろうなぁ…。

すごくカッコイイけど、黙ってるしよろしくしたくないみたい…

「武山、早く帰らなくていいのか?長谷川と待ち合わせしてんだろ?」

「あー!!早く行かなきゃ!じゃあ、またな!」

武山君は走って行ってしまった。
長谷川さんは確か彼女だったかな…すごく美人な子で武山君とつき合ってるのは有名な話だった。

「雨も小降りになってきたし、俺達も帰るか」

「あ、本当だ!優菜ちゃん帰ろー」

「うん!」
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