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□♡意地悪な彼氏
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中学生の頃、気の強い彼女は一人浮いていた。


いじめのリーダー格みたいなやつにも食って掛かっていくので、何度も嫌がらせをされる。


ある日。

放課後下駄箱で、泣きそうになっている彼女がいた。

あんな奴らに食ってかかるから…

立ち尽くす彼女の前の彼女の靴に満タンに画鋲が入っていた。

「…うわ」

俺はつい声に出してしまった。
彼女はキッとこちらを睨む。

俺はため息をついて、彼女の靴を取った。

「……よくこんなにたくさん画鋲集めるよな」

「ちょっと!あんたもあたしに嫌がらせしにきたの!?」

「は?嫌がらせとか興味ないけどさ…嫌がらせすんのって楽しいのかと思って」

彼女の靴の画鋲をいじめのリーダー格の奴の上履きに移した。

「ちょ…何してんの?」

「これでこいつが明日どんな反応するのか見るのが楽しむのか?」

「そんなの知らない!靴返して!」

彼女は俺を睨んで靴を奪って行ってしまった。


次の日。


教室でリーダー格のあいつが彼女に吠えていた。

「あんた生意気過ぎ!私の上履きの中に画鋲入れたのあんただろ!」

「…」

「……あぁ、わりぃ。それやったの俺だ」


俺はそいつの前まで歩いて行って顔を覗き込んだ。

「なっ…た、瀧口君だったんだ…」

顔をのぞき込むと顔を赤くして俺から目を逸らす。

「ふーん。別に面白くなかったな…こんなつまんない嫌がらせすんのが楽しいのか?」

「え!?いや…あの…」

「ふっ…他に楽しいことないつまんない人間なんだな。かわいそう」

俺は教室を出た。

毎日のクラスの雰囲気が大嫌いだったのでちょっとせいせいした。

「た、瀧口君ッ…」

「……何?」

追い掛けて来たのは、彼女だった。

「………ありがと」

かなり小さい声で俯きながらそう言った。

「何?」

「………何でもない!!ふん!」

一瞬だったけど彼女の怒ってる顔以外を初めて見た。
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