4色の恋模様
□第8話
2ページ/5ページ
ピンポーン
来たな。
大丈夫。部屋は片付いた。
料理はあいこが作るって言ってたし、そのための食材はだいたい用意した。
あと...
ゴムも一応、用意した。
喜「これで何があっても大丈夫だ!はーい!」
俺は1人で叫んでから、インターホンに答えた。
あいこ「ちっす!おじゃましまーす」
喜「お、おう...」
あいこはなんかいつもと違って、大人っぽいっていうか、色っぽいっていうか...
喜「香水...?」
玄関で迎えた俺の前を通り過ぎてさっさとリビングに入るあいこから、いつもはしない微かな薔薇の香りがした。
あいこ「あ、気付いた?そろそろこういうのつけて色気付けーって、はづきがうるさくて」
喜「すげーいい匂い、する」
俺はあいこを、後ろから抱きしめた。
あいこ「そんな、抱きしめるほどか?」
あいこは笑ってる。
けど、冗談抜きで、本当にすっげーいい匂い。
そのままあいこの首元に顔を埋めた。
あいこ「大袈裟だなぁ。...。」
笑いながらも、あいこの肩が少しだけ震えるのがわかった。
やっぱり、付き合ってもないのにこんなの、だめかな。
そうだよな、怖いよな。
喜「ごめんごめん!いやー、薔薇の香り嗅ぐと、ついエミリーを思い出しちまって!」
あいこ「誰だよ」
架空の人物、エミリーを使って適当に誤魔化した。
そんなのあいこにはお見通しで、はいはいって感じで笑ってくれる。
喜「で?今日は何をご馳走してくれるんですか?」
あいこ「今日はねー、シチューでーす!」