青エク
□大好きな君のこと。
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昔から、あいつはそうやった。
いつでも笑顔を作って、なんにも考えていないフリをして…
いまでも、あいつは他の人にはほんまもんの笑顔はみせへん。
まるでお面でも被っているかのようになにを言われてもあいつは笑う。
ホントに…
「バカなのは俺やな…」
「ん? 坊、今なんかいいはりました?」
「いや、独り言や。気にすんな」
「…気になる」
「なぁ…志摩」
「なんでしょ?」
「いい加減ちゃんと笑えや」
「え…?」
志摩の顔が、一瞬強ばる。
…図星やったか。
「な、何言うてますの。坊。俺、笑うてますやん。」
あぁ…またそうやって無理して笑うんや。
お前の事ならなんでもわかるんよ
だって……
大好きなお前の事やから。