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□最悪な日、でも
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部活が終わって何時間たっただろう。
暗くなったはずの体育館の奥の体躯倉庫には
小さな明かりが灯っていた。
(ホンマ、最悪や)
中にいたのは今吉一人。
ことの発端は部活が終わって集合した時の
先生の言葉。
「最近体育倉庫がきちんと掃除されていないことが多いです。
近々ちゃんと整理しておきなさい。」
仕方なく今日の帰りに掃除をしていこうという話になったのだが、メンバーの殆ど、
いや、今吉以外は全員用事があると言って帰ってしまった。
その時に、明日にしようと言えばよかった。
災難はそれだけでは済まされなかったのだ。
使い込んでいる沢山のボールを時間を忘れて磨いていれば、
扉の方からガチャ、と音がした。
嫌な予感がした。
そんな予感は消して扉に手をかけて力を入れる。
開かない。
嫌な予感は的中。
今吉は一人、体育倉庫に、
閉じ込められたのだ。