長編 -ツバサ RESERVoir CHRoNiCLE-

□プロローグU
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「『ハァ、ハァ、ハァ。』」

彼に手を引かれ、ひたすら走る。

後ろを振り返る暇はない。

ただ、前を向いて走る。



その時…。



空間が裂け、大きな剣が出てきた。

「アリシア!!」

気付いた時には遅かった。

血が飛び、純白のドレスが真っ赤に染まる。

そのまま倒れる体。

動けないわたし達。


パアアァァ


突然、わたしの周りに魔法陣が現れた。

そのまま、わたしの体を包んでいく。

『!!!』

わたしの体は浮き、彼は取り残される。

『待って…お願い、止まって。』

そう言っても止まらない。

彼とどんどん離れていく。

『嫌!待って!』

彼の体は動かないまま、わたしの景色は真っ白に染まった。

『アラン!!』
 
 

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