合わせ鏡

□◇予言
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窓から差し込む朝日を受けて、私はベッドの中で大きく伸びをする。


起き上がって、夜中に見た夢の中で斬られた右肩と切り刻まれた右足をまた見てみる。

やっぱり傷一つない。






ルイ「(だけど、あの時感じた痛みは・・・)」







―――本物だったんだ。





あれは、本当に・・・





ルイ「(何だったんだろ・・・?)」





















ファラ「おはよう、ルイ、カノンノ。朝ご飯出来てるよ」


ルイ「おはよう、ファラ。ありがとう」



カノンノと一緒に食堂に来た私はロックスとクレア、ファラが用意してくれた朝ご飯を食べる。


今日は最後の入隊試験があるから、試験の最中にお腹が減らないようにしっかり食べておかないと・・・。



ルイ「カノンノ、」


カノンノ「?」


ルイ「今日もよろしくお願いします」



口の中に放り込んだクロワッサンの最後の一切れ。

それをゴクンッ、と飲み込んで、私は隣でスクランブルエッグを食べてるカノンノに改めて頭を下げる。


今日も足を引っ張ったらごめんなさい・・・。



カノンノ「そんな改まらなくても・・・(苦笑

ルイならきっと大丈夫。だってあんなに強いんだもん。自信を持って」



私の両手を握り締めてカノンノはそう言ってくれる。

大丈夫・・・か。


そういえばセネルも昨日、落ち着いてやれば出来るって言ってくれたね。


落ち着いて、自信を持って・・・だけど決して驕らずに。



ルイ「うん・・・頑張る。頑張るよ」



カノンノの手をギュッ、と握り返した。


















アンジュ「さぁ、いよいよ最後の入隊試験ね。まずは説明をよく聞いてちょうだい」



朝ご飯を食べて、ちょっとだけ食休みをしてから私達はホールにいるアンジュさんの許に来た。

アンジュさんは1枚の紙を片手に最後の試験の説明をしてくれる。



アンジュ「今回行ってもらうのは、ルバーブ連山」



ルバーブ・・・。


記憶を失った私が目を覚ました場所。

つい昨日のことなのに、随分昔のことのように感じちゃうのは何でだろ・・・。


討伐依頼とか、採掘依頼をこなして、アドリビトムの濃いメンバーと会って話したからかな?


なんてことを考えて内心苦笑してる間にもアンジュさんの説明は進む。



アンジュ「そこにいる「ガルーダ」を倒してきてもらいます。

これが終われば、あなたは正式なアドリビトムの一員よ。それじゃ、頑張ってきてね!」


ルイ「はい!」


アンジュ「カノンノ、お願いね」


カノンノ「はい。行こう、ルイ。行先はルバーブ連山だよ」


ルイ「うん!」











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――――――――――――――












カノンノ「今回の目的は、ここルバーブ連山でガルーダを探して、退治する事なんだけど・・・」



ルバーブ連山の登頂口でそう言ったカノンノの顔が曇る。



ルイ「?何か問題があるの?」


カノンノ「うん・・・。ガルーダに会うのは、ちょっと奥へ進まないといけないの」


ルイ「奥・・・。私が、目を覚ましたところとか?」


カノンノ「そこならいるかもしれないね。じゃあ、気を付けて進もう!」



うん、って頷いて私達は歩き出す。


ガルーダ・・・どんな魔物なんだろ。

最後の試験で指定される魔物だから、やっぱり強いのかな・・・



カノンノ「ああ、そうだ。冒険者には必須の知恵、「生産」について教えてあげるね」


ルイ「生産?」


カノンノ「「生産」を行うと、「料理」「グミ」「ボトル」といった便利アイテムを、自分で作ることが出来るの」


ルイ「面白そう・・・!」


カノンノ「「生産」を行うには、生産したいモノの「レシピ」を持っていること。次に、必要な材料を持っていること。

これらの条件が揃っていたら、作りたいモノを選べばいいの。レシピは宝箱なんかで手に入る事もあるし、色々生産を楽しんでみるといいと思うよ」


ルイ「あ・・・じゃあ、クエストでダンジョンに行く時とかに宝箱を探した方がいいんだね」


カノンノ「うん、そういうことだよ。ここにもあるかもしれないし・・・ガルーダを退治したら探してみよっか」


ルイ「うん!」








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