合わせ鏡
□◇入隊試験
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地面を数回バウンドして動かなくなる緑色の球体のような魔物、―――プチプリ。
最後の1匹を同じように倒して、私は一息つく。
ルイ「疲れた・・・」
カノンノ「10匹討伐完了。凄いよ、ルイ」
ルイ「カノンノの援護があったからだよ」
剣も強いけど、魔法の攻撃も強いんだね。
ファイアーボール・・・だっけ?が後ろから肩スレスレに飛んできた時はちょっと・・・・いや、かなりビックリしたけど(苦笑
お互いを労い合って、プチプリが落としたアイテム、こくもつとか、ベジタブルだとかを拾っていく。
どうしてこんなもの持ってたんだろう、あのプチプリ・・・
カノンノ「迎えが来てるはずだから、そろそろ戻ろう」
それに頷いて、私はカノンノと一緒に帰路につく。
カノンノ「さぁ、今回の仕事が達成出来た事をアンジュさんに報告するのよ」
船に戻って来てすぐ、カノンノがそう言った。
あ、そっか。報告してやっとクエスト達成になるんだった。
そうしないと報酬が貰えないってプチプリ退治の時、色々教えてもらったんだ。
私はアンジュさんのいるホールに足を向ける。
その途中で聞こえたのは・・・何だったんだろう?
まだ入ったことのない部屋からキュッキュ、キュッキュ、っていう高い声が微かに聞こえたの。
・・・幻聴?
カノンノ「アンジュさん。プチプリ、退治してきました」
アンジュ「お疲れ様。これで、この仕事は終わりね」
ルイ「あ、これ・・・プチプリが落としたアイテムです」
アンジュ「はい、ご苦労様。初めてのクエストはどうだったかな?」
ルイ「大変でした。カノンノの足を引っ張りまくっちゃって・・・本当にごめんね」
カノンノ「そんなことないよ。ルイ、凄く強かったよ!」
アンジュ「フフッ、慣れていけばあなたも1人でクエストをこなせるようになるわ」
ルイ「頑張ります」
アンジュ「こうやって、クエストを達成したら報告をしてちょうだいね。それからクエストを達成したら、報酬も出るのよ。
今回は、私からその報酬を渡すわね。はい、どうぞ」
報酬としてアンジュさんから貰ったのは、ライフボトル?とかいうアイテムと500ガルドのお金。
クエストの大変さとか、難しさによってこの報酬も変化するんだって。
アンジュ「それじゃ、次のクエストも用意しておくよ。
それから、棚卸しが終わったみたいだから、ショップを見てきたらどうかな?」
ルイ「ショップ・・・?」
カノンノ「私が案内するね。
報酬を貰ったんだし、お買い物をするのもいいかも!」
テンションが上がったカノンノに連れられて入ったのは、さっき幻聴みたいなのが聞こえた部屋。
そこには、2匹のラッコ?と謎の・・・小人?がいた。
吟遊詩人風の緑の服を着たラッコが私達に気付いたみたいで声を上げる。
「いらっしゃいだキュ〜!!」
「棚卸が終わってから、初めてのお客さんだキュ!」
「見かけない顔だな、しかし。新人なんだな、しかし」
Σロックスみたいに人語を喋ってる・・・!?
さっき聞こえてきたキュッキュ、キュッキュっていう声はこの子達の声だったんだ・・・。
あ、私達のことをお客さんって言ったってことは・・・もしかして、この子達がショップ?を経営してるの?
カノンノ「ふふ。新しい仲間に会えて、皆喜んでるみたいだね」
ルイ「あ、えと・・・」
カノンノ「びっくしりたかな、ルイ。ここが、ショップだよ。まずは、買い物の前にお店の皆に挨拶しなきゃ」
ルイ「は、初めまして。新入りのルイ・・・です」
頭を下げて挨拶をしたら、赤い服を着たラッコ・・・さんが手を上げて挨拶を返してくれる。
「よろしくだキュ、ルイ!武器屋担当のキュッポだキュ!」
ルイ「よ、よろしく・・・」
キュッポ「ここでは、アドリビトムの皆の為の武器を取り扱ってるんだキュ!
これからもどんどん新商品を増やすキュ!ちょくちょく覗きに来て欲しいキュ!!」
「防具屋担当、弟のピッポだキュ!」
ルイ「あ、やっぱり兄弟なんだ・・・」
ピッポ「ここでは選りすぐりの防具を仕入れて取り扱っているんだキュ!
試着も出来るから、ぜひ気軽に立ち寄って欲しいキュ!」
カノンノ「それでこっちの子が・・・」
「道具屋をしてるコーダなんだぞ、しかし」
と、特徴的な喋り方だね・・・
コーダ「何か買っていくといいんだな。買い物なんて簡単、しかし。財布を開けて、中から金を出して、コーダに渡せば買えるぞ。
さぁ、早速何か買って欲しいぞ、しかし」
パタパタと両手を振ってしかし、しかし言うコーダと、キュッキュ、キュッキュ言うキュッポとピッポ・・・。
せ、洗脳されそう・・・!
カノンノ「せっかくだから武器や防具を試着してみたら?」
ピッポ「ルイにはコレが似合うと思うキュ〜!」
カノンノ「こっちも可愛いよ!」
キュッポ「ルイはキュッポと同じ戦士の目をしてるキュ!」
ピッポ「キュッポ兄さんは、モフモフ族一の武道家なんだキュ」
キュッポ「だからこの武器がオススメだキュ!」
ルイ「あ、ありがとう・・・」
ヒートアップしたカノンノ+2匹によって、私が着せ替え人形にさせられたのは言うまでもない。
試着ショーなんて・・・他の誰かに見られてたら恥ずかしさで死ねるよ。
とりあえず私はさっき貰った報酬でアップルグミとオレンジグミを1つずつ購入。
そしたら部屋の外から・・・
「カノンノ、ルイ、ちょっと来てー」
ルイ「あれ・・・?今の声って、」
カノンノ「アンジュさんだね。ちょっとホールへ行ってみようよ」
ショップにいる3人?と別れて、私達はアンジュさんの許へ急ぐ。
ルイ「お呼びでしょうか?」
アンジュ「今ね、仕事に出てたメンバーが帰って来たみたいなの。挨拶に行ってきてくれる?
今回、あなたが初めて会う仲間は皆、下の階にいるよ。
挨拶が済んだ頃には、次のクエストを用意出来てると思うから、まずは行ってらっしゃい」
カノンノ「こっちだよ、ルイ。行こう!」
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