秘密を守れますか?U
□ほつれた糸
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中忍選抜試験、第2試験官、みたらしアンコさんに連れられてほぼ1日かけてやって来たのは、フェンスで囲まれた大きな森の前でした。
扉は厳重に鎖と3つの錠前で閉じられ、封と書かれた札のようなものが張ってあります。
そして、その扉の横にはご丁寧に〈立入り禁止区域〉という看板が張り付けてありました。
隣にいる未来が目を輝かせてる・・・。
第一の試験の時、あやとりで遊んでいた件で、瑠璃さんにさんざん怒られて拳骨もらってたのに全然懲りてないんだね・・・。
アンコ「ここが〈第二の試験〉会場、第44演習場・・・別名―――死の森よ!!」
サクラ「何か、薄気味悪いところね・・・」
紗那「うん・・・」
アンコ「フフ・・・。ここが〈死の森〉と呼ばれる所以、すぐ実感することになるわ」
とりあえず僕は、手を挙げて何か(絶対話が進まなくなることだと思いますが)を言おうとした未来の口を押えます。
未来「(Σ読まれていた、だとっ・・・!?)」
ナルト「、(ムスッ
〈死の森と呼ばれる所以、すぐ実感することになるわ〉なーんて脅しても全然へーき!怖くないってばよ!」
アンコ「そう・・・。君は元気がいいのね」
誰でしたっけ・・・?
主人公の・・・うずまきナルトさん?がそう言ったのを聞いて、試験官のアンコさんが笑ってクナイを投げつけました。
それはナルトさんの左頬を掠めて、後ろに立っていた男性の長い髪を2、3本切って地面に突き刺さる。
ナルト「!!」
アンコ「アンタみたいな子が真っ先に死ぬのよねェ。フフフ・・・。私の好きな赤い血ぶちまいてね
―――!!」
ナルトさんの頬から出た血を舐めとっていた彼女の表情がすぐに一変します。
新しいクナイを出して、背後に来ていた男性に突きつけたんです。
背後に来ていた彼は意に返さず、長い舌でさっきのクナイを返していました。
その人を見た未来がその時だけ、何故か大人しくなった。
・・・何か、あるのかな?
男「クナイ・・・お返ししますわ・・・・」
アンコ「わざわざありがと」
洋一・希「「、」」
アンコ「でもね・・・殺気を込めて・・・・私の後ろに立たないで。早死にしたくなければね・・・」
男「いえね・・・赤い血を見るとついウズいちゃう性質(たち)でして。・・・・それに、私の大切な髪を切られたんで興奮しちゃって・・・」
ヒナタ「(ナルト君・・・)」
サクラ「(な・・・何よ、この試験官・・・・。はっきり言ってヤバい!
そ・・・それにこいつも・・・・)」
紗那「(怖そうな人達ばっかりだ・・・)」
瑠璃「(何なの、この一触即発っぽい空気は・・・)」
アンコ「悪かったわね」
ナルト「(アイツ、何であんなに舌長いんだ?)」
アンコ「どうやら、今回は血の気の多い奴が集まったみたいね・・・。フフ・・・・楽しみだわ」
ナルト「(アンタが1番血の気が多いってばよ!)」
アンコ「それじゃ、第二の試験を始める前にアンタ等にこれを配っておくね!」
そう言って彼女が懐から取り出したのは同意書と大きく書かれた紙でした。
もしかして・・・
ナルト「・・・何だ?」
アンコ「同意書よ。これにサインしてもらうわ。
・・・こっから先は死人も出るから、それについて同意をとっとかないとね!私の責任になっちゃうからさ〜」
紗那「(し、死人・・・!?)」
瑠璃「(マジで・・・?)」
アンコ「まず、第二の試験の説明をするから、その説明後にこれにサインして・・・班ごとに後ろの小屋に行って提出してね。
じゃ!第二の試験の説明を始めるわ」
と言いながら、彼女はナルトさんに同意書を渡しました。
僕達受験者はそれを回しながら話を聞きます。
アンコ「早い話、ここでは―――極限のサバイバルに挑んでもらうわ」
ナルト「!」
シカマル「(サバイバルかよ。またクソめんどくせー試験だな!)」
アンコ「まず、この演習場の地形から順を追って説明するわ」
簡単な演習場の地図を見せる。
アンコ「この第44演習場は・・・鍵のかかった44個のゲート入口に円状に囲まれてて、川と森・・・・中央には塔がある。その塔からゲートまでは約10km・・・。
この限られた地域内であるサバイバルプログラムをこなしてもらう。その内容は・・・各々の武具や忍術を駆使した・・・・何でもアリアリの
―――巻物争奪戦よ!!」
受験者「巻物?」
アンコ「そう。〈天の書〉と〈地の書〉・・・この2つの巻物を巡って闘う」
白の天、黒の地の巻物を見せながら続ける。
アンコ「ここには90人。つまり、30チームが存在する。その半分、15チームには〈天の書〉。もう半分の15チームには〈地の書〉を―――それぞれ1チーム、ひと巻きずつ渡す。
そして、この試験の合格条件は・・・天地両方の書を持って、中央の塔まで3人で来ること」
サクラ「つまり巻物を取られた15チーム、半分が確実に落ちるってことね・・・」
アンコ「ただし時間内にね。この第二の試験、期限は120時間。ちょうど5日間でやるわ!」
いの「5日間!!」
瑠璃「そんなに・・・?」
チョウジ「ご飯はどーすんのォ!?」
アンコ「自給自足よ!森は野生の宝庫。ただし、人喰い猛獣や毒虫、毒草には気を付けて。それに15チーム、45人が合格なんて、まずあり得ないから。
なんせ行動距離は日を追うごとに長くなり・・・回復に充てる時間は逆に短くなってゆく。おまけに辺りは敵だらけ。うかつに寝ることもままならない」
希「(いや、俺なら寝れる・・・)」
↑空気を読んで口にしなかった者(笑
アンコ「つまり、巻物争奪で負傷する者だけじゃなく・・・コースプログラムの厳しさに耐え切れず死ぬ者も必ず出る。
続いて失格条件について話すわよ!まず、1つ目・・・時間以内に天地のまきものを塔まで3人で持って来れなかったチーム。
2つ目、班員を失ったチーム、又は再起不能者を出したチーム。ルールとして・・・途中のギブアップは一切無し。5日間は森の中!」
紗那「っ、」
アンコ「そして、もう1つ・・・巻物の中身は塔の中に辿り着くまで決して見ぬこと!」
ナルト「途中で見たらどーなるの?」
アンコ「それは見た奴のお楽しみ」
ナルト「?」
アンコ「中忍ともなれば超極秘文書を扱うことも出てくるわ。信頼性を見る為よ。説明は以上。同意書3枚と巻物を交換するから・・・その後、ゲート入口を決めて一斉スタートよ!
最後にアドバイスを一言―――死ぬな!」
海斗「・・・、」
受験者の顔つきが途端に変わりましたね。
アンコさんの説明が終わると、彼女の後ろの小屋にいた木の葉の中忍かな?その人が黒いカーテンを少し開けて「そろそろ巻物と交換の時間だ」と言ってきます。
言われた通り、僕達受験者は同意書にサインをして、順番に小屋に入っていくことになりました。
瑠璃「サバイバルかぁ・・・」
未来「ワクワクするよな!」
瑠璃「それはきっとお前だけだよ。・・・まぁ、2人がいるから楽勝だと思うけど」
未来「他力本願ば(瑠璃「だからそれはもういいって!」チェー・・・」
瑠璃「それに、内容が内容だけに他の〈参加者〉も見付けられるかもしれないしね」
海斗「ええ。試験場所が森なので、心置きなくやれます」
瑠璃・海斗「「誰かさんが余計な行動をしなきゃね/しなければね」」
未来「第一の試験は大人しくしてたんだ。いい加減暴れたっていいだろ」
瑠璃「大人しくしてたんじゃなくて、遊んでたの間違いでしょ」
未来「違うしー、修業だしー」
サスケ「(・・・なるほど。各チームが渡された巻物の種類・・・・そして3人の内、誰が巻物を持っているのかも分からない・・・ってわけか。
・・・あいつ(イビキ)が言った通りだ。この試験では情報の奪い合いが命懸けで行われる・・・・。全員が敵!!
ここにいる奴等の決意は固い。殺し合うことにもなる・・・ってわけだ)」
紗那「(死人も出てくるってことは・・・命を懸けた戦いになるって、ことだよね・・・・)」
紗那「・・・・・・」
洋一「、・・・大丈夫か、紗那?」
紗那「!あ・・・う、うん!大丈夫。頑張れるよ」
希「・・・、」
アンコ「(フフ・・・。同意書の意味・・・・少しは解ったみたいねェ)」
・ゲート16:キバ・ヒナタ・シノ
キバ「ひゃほおお!サバイバルなら俺達のオハコだ。ヒナタ、甘えは見せんじゃねーぜ!」
ヒナタ「・・・・・・」
・ゲート27:シカマル・チョウジ・いの
シカマル「命懸けかよ・・・。めんどくせーが、やるしかねーな・・・・!」
シカマル「(こうなったらナルト狙いだ)」
・ゲート12:ナルトチーム
ナルト「(よーし!負けねェってばよ!!近付く奴、片っ端からブッ倒してやる!!)」
・ゲート31:紗那・洋一・希
希「5日とか・・・」
洋一「しょうがねぇだろ、試験なんだから」
紗那「自給自足も大変そうだよね・・・」
・ゲート20:音忍3人組
ドス「(フフ・・・。やっとこの機会が来た・・・・。公然と我々の使命が果たせる好機(チャンス)が・・・)」
・ゲート38:カブトチーム
カブト「、」
・ゲート6:我愛羅・カンクロウ・テマリ
カンクロウ「(敵チームもそうだが・・・コイツ(我愛羅)と5日間もいるのが怖い)」
・ゲート23:俊・梢・珪司
梢「今回も隊長に任すわ」
俊「今回はお前等が動くんだよ」
・ゲート15:謎の草忍3人衆
草忍「まずはルーキー狙いですね」
男「こっからは殺してもいいそうだから・・・かえって簡単だわ」
・ゲート41:ネジ・リー・テンテン
リー「(ガイ先生!僕は頑張ります!)」
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