番外編
□優姫様リク
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洋一「(あぁ〜あ・・・放課後になっちまった)」
他の女子からはいっぱいチョコ貰えたけど・・・結局、瑠璃からは義理すら貰えずじまい。
さすがに悲しい・・・。友チョコじゃなくて、他の男子にチョコ渡してたらって考えるだけで苦しい。
洋一「(部活行こ・・・)」
バレンタインだとか、チョコだとかはもう考えねぇ!
サッカーのことだけ考えよう!
ボールは友達さ!!
部室で着替えて、俺はすぐにグラウンドに出る。
そのまま青いベンチに座ってスパイクを履こうとしてた時だった。
「洋一」
一瞬幻聴かと思った。
でも、聞き間違いじゃねぇ。今、確かに後ろからあいつの声が・・・。
俺は後ろを振り返る。見慣れた幼馴染が1人、そこに立ってた。部活の格好じゃねぇ、制服姿のままで。
洋一「よー、瑠璃。お前は部活に行かねーのか?」
瑠璃「うん。今日は休みだから」
洋一「そーなのか?・・・あれ?じゃあ何しにここへ?」
瑠璃「ちょっとした用があって」
洋一「用?」
瑠璃「・・・まぁ、大した用じゃないんだけどね」
洋一「!」
ま、まさか、うちの部とか野球部、陸上部の誰かにチョコを渡しに・・・!?
うわー!嫌だ!俺、そんなとこ絶対見たくねぇ!!
瑠璃「たまには、サッカー部の練習を見るのもいいかも」
そう言って洋一の隣に腰を下ろす。
洋一「え、マネージャーやってくれんのか(目キラキラ」
瑠璃「話飛躍し過ぎじゃない?」
マネージャーやるつもりがない=やっぱりサッカー部に渡したい奴がいるってことじゃねーか!
誰だよ、チクショー!羨ましいな!
って内心で叫んでたら、じっとグラウンドを見てた瑠璃が呟いた。
瑠璃「やっぱりこっちは平和だね。マフィア学校とは大違い」
洋一「、・・・そりゃな。ここにいんのは1部を除いてみーんな一般人だからなー」
瑠璃「・・・まだ、ケガ痛む?」
洋一「もうほとんど治ったから心配すんなって!」
笑ってそう言ったけど、実際はウソだ。
骨はまだくっついてねぇし、シャツの下にはコルセットだってしてる。
けど、瑠璃には言わねぇ。心配かけたくねぇし、何よりまた泣かせたくねぇから。
だから俺は決定戦の話から瑠璃の用に話をすり替える。腹くくって受け入れよう。
洋一「それで、用って何なんだ?」
瑠璃「あ、ごめん。そうだよね(苦笑」
慌てた様子で瑠璃は鞄の中から包みを取り出して、俺に突き出してきた。
え、まさか・・・
洋一「これって・・・?」
瑠璃「もうさんざん貰って飽きたと思うけど、」
洋一「!―――チョコか!?俺にくれんの?(目キラキラ」
瑠璃「まぁ幼馴染のよしみとして?って言っても、さすがに海斗と希には渡してないけど・・・」
洋一「やった!サンキュー、瑠璃!!」
ヤベェ・・・顔がニヤける。
義理でも嬉し過ぎる!
よかった・・・。他の男子に渡すつもりじゃなかったんだな。本当によかった・・・・!
瑠璃「そんなに嬉しい・・・?」
洋一「ああ!だってわざわざ俺の為に作ってくれたんだろ?」
瑠璃「っ、まぁ友チョコを作るついでにね。チョコ余らせるのも勿体なかったから」
洋一「それでもいいよ!ありがとな!!」
瑠璃「うん。じゃあ渡すものも渡したし、うち帰るね。部活、頑張って」
洋一「おう!!」
手を振り合って俺達はそこで別れる。
こんなとこに大事なチョコ置いておくわけにもいかねぇから、部室にしまってすぐに部活に参加した。
そしたら、
一部始終を見てたらしい先輩達にとことん扱かれた。
先輩「モテモテでいいなぁ、お前は!!」
頭に怒りマークを浮かべながら、引きつったような笑みを浮かべていた。
洋一「先輩だっていつかきっと貰える日がきますよ!」
先輩「黙れコノヤロー!!(怒
野郎共!リア充を許すな!かかれー!!」
非モテ部員達「「「おぉー!!」」」
洋一「え、俺別にリア充ってわけじゃ―――Σうぎゃあああ!!?」
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