番外編
□優姫様リク
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知ってるよ。
お前はウソをつく時、いっつも他の話をしてはぐらかそうとするんだ。
知ってるよ。
自分のことで落ち込んでる時とか悲しい時はそっとして欲しいんだろ。
知ってるよ。
紗那とか、何気女子力の高い未来と比べて自分には可愛げがないとか思ってんだろ。
知ってるよ。
変なとこで頑固で肩肘張って無理してることぐらい。
知ってるよ。
お前の強いところも弱いところも、好きなものも嫌いなものも。
知ってるよ。
俺達に心配かけたくないからって1人で抱え込もうとするところも。
全部、知ってる。
だって俺はお前の幼馴染。ずっとお前の傍にいたから。ずっと、お前だけを見てたから・・・だから、
洋一「教えろよ、瑠璃」
隠してること全部、曝け出せよ。
瑠璃「っ・・・別に何でもないよ。次の授業、抜き打ちテストとかあったらイヤだな、ってつい口に出しちゃっただけ」
洋一「じゃあ何でこんなとこにいるんだよ」
瑠璃「それはっ・・・」
洋一「俺だって・・・イヤなんだよ」
瑠璃「え・・・?」
洋一「幼馴染が・・・お前が悲しい顔してんのはイヤなんだ。笑顔じゃなきゃ嬉しくねぇ」
瑠璃「・・・何そのワガママ」
洋一「しょうがねぇだろ。俺は未来みてぇに敏感にお前の気持ちを察してやれねぇ。海斗みてぇにそっと見守ることも出来ねぇ。
俺・・・バカだし、ワガママ通すことしか出来ねぇんだ」
瑠璃「うん・・・本当にバカだよ。真正面からバカ正直に来ることしか知らない・・・・・正真正銘のバカ」
洋一「うっ・・・そ、そんなバカバカって・・・・」
瑠璃「うるさい、バカ」
洋一「Σ理不尽!!」
瑠璃「バカでお人好しでお節介で・・・本当どうしようもないんだから」
洋一「なんか・・・すんません」
思わず謝っちまった。
瑠璃は俺に背中を向けててどんな顔をしてるか分からねぇ。けど、肩が震えてるってことは・・・そういうことなんだろうな。
かける言葉が見付からねぇ。何て声をかければ瑠璃の気が楽になるのか分からねぇ。
未来だったら違ったんだろうな。
俺はそっと手を伸ばして、瑠璃の頭をポンポンと叩いた。
洋一「・・・話したくねぇなら、無理に聞かねぇ。けど、俺はいつだってお前の味方だからな!」
瑠璃「っ・・・」
ぐしっ
瑠璃「・・・クレープ食べたい」
洋一「え・・・?」
シャツの袖で涙を拭いたと思ったら、瑠璃がそう言ってきた。
振り返ったこいつの目はやっぱり真っ赤になってて、思わず胸が締め付けられる。
瑠璃「パンケーキも食べたい。ナミモリーヌの新作ケーキも食べたい。チュロスも食べたい。後ソフトクリームも」
洋一「お、おぉ・・・?」
瑠璃「付き合ってよ、放課後」
洋一「!―――ああ!全部奢ってやる!」
瑠璃「ホント・・・?ヘヘッ、ラッキー」
それでお前が笑ってくれるなら・・・笑顔を取り戻してくれるなら、安いもんだ。
俺の前で悲しい顔なんて絶対にさせねぇ。とことん付き合ってやるよ。
(後、たこ焼きとたい焼きと今川焼と綿菓子とポップコーンと―――)
(Σそれ全部放課後食うつもりなのか!?)
Fin.
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