番外編

□優姫様リク
2ページ/11ページ

.

◎6人が幼馴染で未来と海斗がトリップ前から付き合っていたら・・・

秘密5 泥沼劇場 のIF(4ページより)

――――――――――――――――――――


その日から、毎日学校に行くと何かしらの嫌がらせがしてあった。


例えば、上靴の中にピンがいっぱい入ってたり(超古典的なイジメ)、

空にした机の中にゴミが入ってたり(ゴミ箱同然ですか)、

筆箱が隠されたり(小学生?)・・・etc.


まぁ・・・






どれも地味過ぎて話にならないんだけど。





ただ、やられる度にちょっとイラッとくるだけ。

小さいストレスが堪っていく感じ。


それが2週間近く続いたある日の昼休み・・・

いつものメンバーでお弁当を食べてたら、急に洋一が言ってきた。



洋一「瑠璃、大丈夫か?」


瑠璃「え、何が?」


洋一「何か、最近元気ねーっつーか・・・何つーか」


未来・海斗・希・獄寺「「「「、」」」」


洋一「何か悩み事でもあるのか?」


紗那「悩み事?瑠璃が?恋の悩みとか?(ワクワク」


瑠璃「悩んではいないけど・・・そうだね。うちも恋をしたいお年頃だしぃ?(笑」


海斗「まず掃除が出来て、今より痩せなきゃそれは無理だろうね」


未来「瑠璃の汚部屋はもう腐海レベルだからなー」


瑠璃「ぶっ飛ばされたいの、お前等?


洋一「・・・本当に何でもねぇんだよな?」


瑠璃「うん、普通に元気だよ」


獄寺「ウソだな。恍けてんじゃねぇよ」


瑠璃「恍ける?うちにはちょっと分かんないな〜」



なーんだ、やっぱりバレてるんだ・・・。

獄寺も意外に鋭いんだね。しかも、意外に優しいっていう(笑



だけど、今はそんな言葉かけてほしくない。

うちが欲しいのは、そんな言葉じゃない・・・



瑠璃「あ、そーだ。うち、先生に呼ばれてるんだった。ごめん、先行くね」



それ以上、深く追及されたくなくて。


それ以上、その場にいたくなくて。


それ以上、気付いてない紗那達に知られたくなくて。



うちは1人屋上から下りて行った。








   ◇  ◇  ◇








獄寺「おい、待てよ、東n―――」


未来「獄寺、」



瑠璃を引き止めようとした獄寺を制し、小さく首を横に振る。

それはまるで、「何も言うな」と言っているようだった。



獄寺「お前・・・」


未来「あいつは頑固だから無理だ」


洋一「やっぱり未来、知ってて放っておいたんだな」


未来「あいつがそれを望んでたからな。・・・けど、これは俺向きの行動。お前にはお前向きの行動がある。分かってんだろ?」


洋一「ああ・・・。―――行ってくる」



すぐに弁当箱をしまって、彼はすくっと立ち上がる。

そのまま紗那達を残して屋上を後にした。



紗那「え?え?洋一君、どこ行ったの?さっきから皆何の話してるの?」


山本「東雲がどうかしたのか?」


未来「別にどーもしねぇよ。どーも、な・・・」








   ◇  ◇  ◇








瑠璃「ハァ・・・」



校舎裏に来て、壁に背中を預けながらうちはため息を吐く。



瑠璃「知らないフリをしてくれればいいのに・・・」



気付いてても、気付いてないフリを。

知ってても、知らないフリをしてほしかった。


隠し通すなんて無理だって分かってても、うちは隠したいの。知られたくないの、気付かれたくないの。



イジメられてるなんて・・・



瑠璃「2人には、悪いことしたなぁ・・・」



心配して言ってくれたのに、逃げるように下りてきちゃって・・・嫌われたかな?


イジメてくる誰かも・・・そうやってうちが傷付けちゃったのかな?

もしかしたら、今も傷付けてるのかも。だから、イジメがいつまで経っても終わらないんだ・・・



瑠璃「うちが何したんだよー・・・」



未だ理由は分からない。

いっそ呼び出してくれればいいのに。呼び出して、うちがしたことを言ってくれればいいのに。



瑠璃「いつまで続くんだろう・・・」



ずっと終わらないとか?

イジメの標的が、何かの理由でうちになったとか?


そんなのイヤだ。もう1週間も耐えられる自信ないのに・・・



瑠璃「イヤだよ・・・」






「何がイヤなんだよ」






瑠璃「え・・・」



何で、ここであんたが来るの。


何で、うちがここにいるって分かったの。









何で何で何で・・・








洋一「教えろよ、瑠璃」








何で・・・突き放しても追いかけてくるの?







.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ