DEATH GAME
□〜闘争〜
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リッポー『戦う者達のみ渡れ』
出て来た細い通路を歩いて、俺と望はリング?闘技場?に行く。
左側からは勿論、62番の男と30番の女が同じようにやって来る。
やっぱこいつ等も〈参加者〉なのかなー?
62番男「勝負の方法は?」
洋一「さっきの勝負と同じデスマッチってことで。異論はあるか?」
62番男「いや、ねぇな」
洋一「試験官!合図を頼めるか?」
リッポー『いいだろう』
望「・・・Σハッ!」
洋一「?どーしたんだ?」
望「洋一からチューしてもらってのもありだね!」
そんな望の発言に俺は思わず肩がガクッてなった。
もっと真剣なことかと思って聞いた俺がバカだったー!
望「もしくはクラピカちゃん達からっていうのも・・・!」
洋一「そーいうのは10分以内に勝ってから言おうぜ、望(苦笑」
30番女子「私達が気にすることじゃないと思うけど・・・そっちの彼女大丈夫?」
望「失礼ね!望ちゃんの頭はいつも妄想で育まれてるから、普通の人より想像力は豊かだよ!」
洋一「大丈夫だ。常時運転、これがこいつの正常だから」
リッポー『では、タッグバトル・・・デスマッチ、
―――始め!!』
リッポーの合図で俺と望は相手の2人から少し距離をとる。
バカはバカでも無闇に突っ込むバカじゃねーからな。
相手の2人・・・62番の男と30番の女はその場から動かねぇ。
2人共薄い笑みを浮かべてるだけだ。
さーて、ここはやっぱ・・・
俺は望を見る。
望も俺を見てきた。
言わなくてもお互い分かってる。
頷き合って俺はリングの隅へ、望は1歩前に。
望「さっそくだけどごめんね!
―――十二獣の二、それは土を司りし丑(うし)!!」
唱えた望は黒と白の折り紙で折ったソレを投げる。
ボフンッて音を立てて出て来たのは、宣言通りデケェ角を生やした丑。
レオリオ「きゅ、急に牛が・・・!?」
クラピカ「望が出したのか・・・?」
希「そういう・・・特殊な人間なんだ、俺達は」
望「望はほっぺにチューをしてもらいたいの!
だから必殺必勝!丑ちゃん、いっけぇーーー!!」
丑「ウ゛モ゛ーーー!!」
望の指示を受けて丑が相手の2人に向かって突進する。
30番女子「あら、怖い怖い」
62番男「任せるぞ」
30番女子「ええ」
様子見だけど・・・もうこれで決まっちまうかもな(苦笑
あの丑のパワーは本当にスゲーから。
リング?闘技場?からは軽く吹っ飛ばされるだろ。
なんて俺の考えは・・・
――ピタッ!
望「え・・・丑ちゃん?」
どうやら甘かったみてぇだ。
相手の2人に突進しようとしてた丑が後2メートルってところで急に止まったんだ。
まるで、時が止まったみたいに。
30番女子「これが・・・私の〈能力〉」
望「どういう・・・こと?」
未来「!望!洋一!その女の目を見るな!
そいつの〈能力〉は、
メドゥサだ!!」
望・洋一「「!!」」
メドゥサって確か・・・ギリシア神話に出て来る怪物、だよな?
目で人を石にするゴルゴン三姉妹の1人・・・
30番の女と視線を合わせねぇように望が出した丑を見てみたら・・・未来の言う通りだった。
スゲーゆっくりではあるけど、丑の体が段々石化していってた。
マジかよ・・・!
○俊視点○
俊「あんな〈能力〉もあるんだね」
石化していく望の丑を見ながら、僕は傍にいる希と未来だけに聞こえる声で言う。
メドゥサは蛇の頭髪を持つ怪物だけど・・・あの女子の体はそんな風に変化しないのか。なんか残念。
希「式神を・・・出してて、よかったな」
俊「えぇ。気付かずに目を合わせていたら終わっていましたね。砕かれて、そこで・・・」
〈脱落〉していた・・・。
さて、〈能力〉に気付いたあの2人はどう戦うかな。
洋一「(目を見ないで、足や手を見て相手の動きを判断しなきゃな・・・)」
望「(NARUTOのイタチ対策と同じだね!)」
洋一「望、」
望「分かってる。十二獣の―――」
62番男「そっちにばっか気を取られていいのか?」
新たに式神を出そうとしてた望の前にもう1人の男が迫る。
あのバカ・・・!
タッグバトルだって忘れてるんじゃねーだろーな。
望「!」
望「(しまっ―――)」
62番男「まず1発」
右の拳で望を殴ろうとするその男。
だけど、それが当たるよりも先に・・・
ドンッ!!
62番男「!?」
ゴン達「!!」
洋一「忘れんなよ。こっちだって2人いるんだぜ?」
当たるよりも先に、洋一が〈能力〉で隆起させた闘技場の石床が壁となって望を守る。
だから62番の男の拳は壁にぶち当たって、攻撃をするつもりが逆にダメージを喰らって血を流した。
なのに、
62番男「ハハッ・・・痛ぇな、こりゃ」
洋一・望「「?」」
何故か嬉しそうに笑いやがった。
俊「何あいつ、マゾ?」
希「ナニカ・・・あるのかもな」
未来「、」
62番男「2発目!」
レオリオ「拳を潰しちまうぞ・・・!?」
62番の男はまた右の拳で石の壁を殴りました。
さっきみたいにダメージを受けるのは男の拳だと誰もが思いました。
だけど、
望「Σウ、ウソぉ!?」
砕けたのは石の壁の方でした。
大きな礫が壁の後ろにいる望に襲い掛かる。
ゴゴゴッ!
望「ΣΣわわわっ!?」
その礫が当たる前に、洋一がまた〈能力〉で望がいる床を上に押し上げるんだ。
フゥ・・・こんなことを説明する実況も辛いぜ。
望「ありがとう、洋一ちゃん!後でお礼にほっぺにチューするね!」
洋一「そんなことはいいから早く逃げてくれ!」
望「は〜い」
62番男「ふーん・・・先にそっちのお前を倒した方がよさそうだな」
洋一「ハハッ、怖ぇこと言ってくれるなよ」
洋一「(どーいうことだ・・・?1発目は壁を壊すことなんて出来なかったのに、何で・・・・)」
希「この勝負・・・長引きそうだな」
俊「あの女も厄介だけど、こういう戦闘ではそれ程脅威にはならない。今はまだ、洋一と望の方が有利だよ」
クラピカ「(今はまだ・・・か)」
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