DEATH GAME

□束の間の休息
2ページ/10ページ

.


ネテロ「残った58名の諸君に改めて挨拶しとこうかの」






未来「なんか臭くね?」


洋一「望、お前臭っ!磯臭っ!」


俊「いつにも増して腐った臭いを放っていますね」


希「アネキ・・・何で、海から上がってきたんだ・・・・」



ネテロ会長さんの挨拶の時、鼻をつまんでそう言ってくる望の〈チームメイト〉4人・・・


それを聞いて望ちゃんはびしょ濡れの体で抗議するの。



望「臭くても知らんぷりするのがマナーでしょ!特に洋一、望の名前を出して言うのは酷いよ!

後、望をこんな臭いのにしたのは俊だからね!

希に至っては弟とは思えない言葉だよ!海から一生上がってくるなってこと!?」



俊「川に落ちるお前が悪い」


望「Σ酷っ!」


希「海の藻屑になって・・・消えて、しまえばよかったのに・・・・」


望「ΣΣ更に酷い!!」


洋一「まーまー。2人が酷ぇのはいつものことだろ」


望「2人が酷いのは主に望と洋一にだけだよ!」


洋一「マジでか!?」


未来「止めにいったのかボケにいったのかどっちだ、お前は(呆」



望達がそんなことを言い合ってたら、いつの間にか会長の話は終わってたみたい。


それで助手さん?蝶ネクタイに丸っこい顔の付き添いさん?の説明が始まる。

あの人、名前何て言うんだっけ・・・?



マーメン(助手)「次の目的地へは明日の朝8時到着予定です。

こちらから連絡するまで各自、自由に時間をお使い下さい」



希「俺は寝る」


未来「言わなくても分かってるよ・・・(呆」



キルア「ゴン!!飛行船の中探検しようぜ」


ゴン「うん!!」


洋一「あ、それ俺も行くー!」



望「望ちゃんも行くー!!」


未来・俊「「テメェはまずシャワー浴びてこい、歩く生ゴミ」」


望「きゃわーん!未来ちゃんと俊ちゃんが口を揃えて望のこと心配してくれてるーVv」


希「心配、違う。暴言吐かれてる」



キルア「ねーちゃんも行こうぜ」


洋一・望・希・俊「ねーちゃん・・・?」


未来「いやぁ、俺はお前等みてーな若さはねぇから。ゆっくり休ませてもらうよ」


キルア「ちぇ。ピンピンしてるクセによく言うぜ。行こうぜ、ゴン、洋一」


洋一「あ、あぁ」


ゴン「うん」



探検に行く3人・・・。望ちゃんも行きたかったよー!後で絶対合流してやるんだから!

でも、今はそれよりも重要なことがあるの。


望の頭のてっぺんで結ってる髪がビビッと動いてるよ!



望「未来!キルアちゃんに〈ねーちゃん〉って呼ばれてるの!?」


未来「嫌がらせ的にそぅ呼ばれてるだけだ」


望「それって・・・







スッゴク萌えるね!!






だってだって!あの生意気キルアちゃんが我等が未来ちゃん!

クールビューティー未来ちゃんを〈ねーちゃん〉呼びって・・・!も、妄想が膨れ上がるぅぅぅ!




望「ウヘヘヘ・・・」


俊「何こいつ・・・スッゲー気持ち悪ぃんだけど」


希「アネキ、涎垂れてる・・・」


望「なんて正直なお口なの!」


未来「いいからさっさとシャワー浴びてこい、腐女子」


望「未来ちゃんも一緒にどぉ?女同士だから問題ないよね。グヘヘへ・・・」


未来「おい俊、ゴミ袋とか持ってねーか?」


俊「うーん、残念ながらゴミ袋はないね。三角コーナーなら持ってるけど」


望「Σ三角コーナー持ち歩いてる人の方が珍しいけど!?」


未来「あぁ、生ゴミだから丁度いんじゃね?」


俊「このデカイ生ゴミは三角コーナーに入りきりませんよ」


未来「バラせばいんじゃね?」


俊「なるほど、その手があったか」



  ぽんっ



望「いや〈ぽんっ〉じゃなくて!どうしよう、希ちゃん!

未来と俊が望の暗殺計画立ててるよ〜!!」


希「未来、俊・・・メンチから、肉切り包丁借りてきた」


望「Σそういう時は行動早いのねー!」



暗殺計画・・・ううん!もうここまでいったら暗殺とは言わないよ!

抹殺計画を実行しようとする望の〈チームメイト〉3人から私は逃げて、そのままシャワー室に直行!


うぅっ・・・洋一、どうして望を1人にしたの(泣








   ◇  ◇  ◇









俊「やっと行ったね」


希「うるさいのが、いなくなって・・・よく、眠れそうだ」



レオリオ「俺もとにかくぐっすり寝てーぜ」


クラピカ「私もだ。恐ろしく長い1日だった」



未来「あ、望のバカ・・・着替えの服持たずに行きやがったな。

チッ、しゃーねぇ・・・。ちょっと行ってくる」


希「悪いな・・・」



アネキの着替えを持って行ってくれる未来に礼を言って、俺はどこで寝よう・・・って思案する。

そしたら自然とクラピカとレオリオの会話が耳に入ってきた。



クラピカ「・・・・・しかし、1つ気になるのだが・・・」


レオリオ「ん?」


クラピカ「試験は一体、後いくつあるんだろう」


レオリオ「あ、そういや聞かされてねーな」


希「俊・・・」


俊「?何です?」


希「・・・俺、もう試験やりたくない・・・・」


俊「それは僕じゃなくてうちのリーダーに言ってよ」



うちのリーダー・・・つまりうちのチームのリーダー。

そんなの、誰かなんて言わなくても分かるよな?





そう、あの洋一だ。





希「絶対・・・聞き入れて、もらえない」


俊「だから諦めろってことだよ」



・・・次の試験で、ワザと失格になろうかな。


そんなことを本気で考えてたら、俺達の許にトンパがやって来た。



トンパ「その年によって違うよ。試験の数は、審査委員会がその年の試験官と試験内容を考慮して加減する。

だが、大体平均して試験は5つか6つくらいだ」


レオリオ「後3つか4つくらいってわけだ」


クラピカ「尚のこと今は休んでおいた方がいいな」


希「大いに賛成」


トンパ「だが気を付けた方がいい」


クラピカ・レオリオ「「?」」


トンパ「さっき、進行係は〈次の目的地〉と言っただけだから、もしかしたら飛行船(ここ)が第三次試験会場かもしれないし、

連絡があるのも〈朝8時〉とは限らないわけだ」


クラピカ「!」


トンパ「寝てる間に試験が終わっちまってた、なんてことにもなりかねない。

次の試験受かりたけりゃ、飛行船(ここ)でも気を抜かない方がいいってことだ」


クラピカ・レオリオ「「・・・・・」」



顔を見合わせるクラピカとレオリオ、不敵な笑みを浮かべて去って行くトンパ。


うん、俺にとってはどうでもいいことだ。

寝る場所を探そう。



俊「希、」


希「?」


俊「寝るのはいいですが、油断して殺られないようにしてくださいよ。

飛行船(ここ)にはまだ11人いるんですからね」


希「あぁ・・・そういえば、そうだったな」



11人・・・それは俺達5人を抜いた〈参加者〉の数。

まだそんなにいるのか・・・



希「確かに・・・今、襲って来られると、面倒・・・・だな」


俊「〈面倒〉なだけ・・・ね。フフッ、さすが僕以上に残酷な〈能力〉を持ってるだけはある」


希「、」


俊「まぁ、だからこそお前が簡単に殺られる可能性は低いんだけどな」


希「そうでもない・・・。〈能力〉がなかったら・・・・俺は人並み以下だ」


俊「だといいですけどね」



何が言いたいって感じで俊を見たら、クスクス笑うだけ。


無視して、俺は話を逸らす。



希「・・・心配すべきは・・・・洋一だと思うぞ」


俊「心配はしてないけど・・・そうだね。もし襲われたら、」


希「けど・・・それは、俺達にも言えることだ。アネキは心配ないけど・・・・。





―――空に逃げ場はないからな・・・」









   ◇  ◇  ◇











未来「望ー」


望の声「未来ちゃん!?望と一緒に裸のお付き合いをしてくれる気になったの!?」


未来「口を閉じろ生ゴミ。濡れて臭ぇ服をずっと着続けるって言うなら、この着替えは外に捨てる」


望の声「Σ捨てないで!ごめんなさい、ごめんなさい!スッゴク助かりました!」


未来「ここ置いとくからな。・・・後、気を付けろよ」


望の声「きゃわーん!未来ちゃんが望のこと心配してくれてるー!萌え死ぬー!!」


未来「そのまま死んで2度と復活してくんな」



そう言って、脱衣所の扉をバタンッと力強く閉める。

中から望が何かを言う声が聞こえてきたが、彼女は無視して歩き出した。






陰で誰かがその様子を見ていたことに、気付かないまま―――


隠れていた者は、去って行く未来を見てクスッと笑った。






.
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ