DEATH GAME
□束の間の休息
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ネテロ「残った58名の諸君に改めて挨拶しとこうかの」
未来「なんか臭くね?」
洋一「望、お前臭っ!磯臭っ!」
俊「いつにも増して腐った臭いを放っていますね」
希「アネキ・・・何で、海から上がってきたんだ・・・・」
ネテロ会長さんの挨拶の時、鼻をつまんでそう言ってくる望の〈チームメイト〉4人・・・
それを聞いて望ちゃんはびしょ濡れの体で抗議するの。
望「臭くても知らんぷりするのがマナーでしょ!特に洋一、望の名前を出して言うのは酷いよ!
後、望をこんな臭いのにしたのは俊だからね!
希に至っては弟とは思えない言葉だよ!海から一生上がってくるなってこと!?」
俊「川に落ちるお前が悪い」
望「Σ酷っ!」
希「海の藻屑になって・・・消えて、しまえばよかったのに・・・・」
望「ΣΣ更に酷い!!」
洋一「まーまー。2人が酷ぇのはいつものことだろ」
望「2人が酷いのは主に望と洋一にだけだよ!」
洋一「マジでか!?」
未来「止めにいったのかボケにいったのかどっちだ、お前は(呆」
望達がそんなことを言い合ってたら、いつの間にか会長の話は終わってたみたい。
それで助手さん?蝶ネクタイに丸っこい顔の付き添いさん?の説明が始まる。
あの人、名前何て言うんだっけ・・・?
マーメン(助手)「次の目的地へは明日の朝8時到着予定です。
こちらから連絡するまで各自、自由に時間をお使い下さい」
希「俺は寝る」
未来「言わなくても分かってるよ・・・(呆」
キルア「ゴン!!飛行船の中探検しようぜ」
ゴン「うん!!」
洋一「あ、それ俺も行くー!」
望「望ちゃんも行くー!!」
未来・俊「「テメェはまずシャワー浴びてこい、歩く生ゴミ」」
望「きゃわーん!未来ちゃんと俊ちゃんが口を揃えて望のこと心配してくれてるーVv」
希「心配、違う。暴言吐かれてる」
キルア「ねーちゃんも行こうぜ」
洋一・望・希・俊「ねーちゃん・・・?」
未来「いやぁ、俺はお前等みてーな若さはねぇから。ゆっくり休ませてもらうよ」
キルア「ちぇ。ピンピンしてるクセによく言うぜ。行こうぜ、ゴン、洋一」
洋一「あ、あぁ」
ゴン「うん」
探検に行く3人・・・。望ちゃんも行きたかったよー!後で絶対合流してやるんだから!
でも、今はそれよりも重要なことがあるの。
望の頭のてっぺんで結ってる髪がビビッと動いてるよ!
望「未来!キルアちゃんに〈ねーちゃん〉って呼ばれてるの!?」
未来「嫌がらせ的にそぅ呼ばれてるだけだ」
望「それって・・・
スッゴク萌えるね!!」
だってだって!あの生意気キルアちゃんが我等が未来ちゃん!
クールビューティー未来ちゃんを〈ねーちゃん〉呼びって・・・!も、妄想が膨れ上がるぅぅぅ!
望「ウヘヘヘ・・・」
俊「何こいつ・・・スッゲー気持ち悪ぃんだけど」
希「アネキ、涎垂れてる・・・」
望「なんて正直なお口なの!」
未来「いいからさっさとシャワー浴びてこい、腐女子」
望「未来ちゃんも一緒にどぉ?女同士だから問題ないよね。グヘヘへ・・・」
未来「おい俊、ゴミ袋とか持ってねーか?」
俊「うーん、残念ながらゴミ袋はないね。三角コーナーなら持ってるけど」
望「Σ三角コーナー持ち歩いてる人の方が珍しいけど!?」
未来「あぁ、生ゴミだから丁度いんじゃね?」
俊「このデカイ生ゴミは三角コーナーに入りきりませんよ」
未来「バラせばいんじゃね?」
俊「なるほど、その手があったか」
ぽんっ
望「いや〈ぽんっ〉じゃなくて!どうしよう、希ちゃん!
未来と俊が望の暗殺計画立ててるよ〜!!」
希「未来、俊・・・メンチから、肉切り包丁借りてきた」
望「Σそういう時は行動早いのねー!」
暗殺計画・・・ううん!もうここまでいったら暗殺とは言わないよ!
抹殺計画を実行しようとする望の〈チームメイト〉3人から私は逃げて、そのままシャワー室に直行!
うぅっ・・・洋一、どうして望を1人にしたの(泣
◇ ◇ ◇
俊「やっと行ったね」
希「うるさいのが、いなくなって・・・よく、眠れそうだ」
レオリオ「俺もとにかくぐっすり寝てーぜ」
クラピカ「私もだ。恐ろしく長い1日だった」
未来「あ、望のバカ・・・着替えの服持たずに行きやがったな。
チッ、しゃーねぇ・・・。ちょっと行ってくる」
希「悪いな・・・」
アネキの着替えを持って行ってくれる未来に礼を言って、俺はどこで寝よう・・・って思案する。
そしたら自然とクラピカとレオリオの会話が耳に入ってきた。
クラピカ「・・・・・しかし、1つ気になるのだが・・・」
レオリオ「ん?」
クラピカ「試験は一体、後いくつあるんだろう」
レオリオ「あ、そういや聞かされてねーな」
希「俊・・・」
俊「?何です?」
希「・・・俺、もう試験やりたくない・・・・」
俊「それは僕じゃなくてうちのリーダーに言ってよ」
うちのリーダー・・・つまりうちのチームのリーダー。
そんなの、誰かなんて言わなくても分かるよな?
そう、あの洋一だ。
希「絶対・・・聞き入れて、もらえない」
俊「だから諦めろってことだよ」
・・・次の試験で、ワザと失格になろうかな。
そんなことを本気で考えてたら、俺達の許にトンパがやって来た。
トンパ「その年によって違うよ。試験の数は、審査委員会がその年の試験官と試験内容を考慮して加減する。
だが、大体平均して試験は5つか6つくらいだ」
レオリオ「後3つか4つくらいってわけだ」
クラピカ「尚のこと今は休んでおいた方がいいな」
希「大いに賛成」
トンパ「だが気を付けた方がいい」
クラピカ・レオリオ「「?」」
トンパ「さっき、進行係は〈次の目的地〉と言っただけだから、もしかしたら飛行船(ここ)が第三次試験会場かもしれないし、
連絡があるのも〈朝8時〉とは限らないわけだ」
クラピカ「!」
トンパ「寝てる間に試験が終わっちまってた、なんてことにもなりかねない。
次の試験受かりたけりゃ、飛行船(ここ)でも気を抜かない方がいいってことだ」
クラピカ・レオリオ「「・・・・・」」
顔を見合わせるクラピカとレオリオ、不敵な笑みを浮かべて去って行くトンパ。
うん、俺にとってはどうでもいいことだ。
寝る場所を探そう。
俊「希、」
希「?」
俊「寝るのはいいですが、油断して殺られないようにしてくださいよ。
飛行船(ここ)にはまだ11人いるんですからね」
希「あぁ・・・そういえば、そうだったな」
11人・・・それは俺達5人を抜いた〈参加者〉の数。
まだそんなにいるのか・・・
希「確かに・・・今、襲って来られると、面倒・・・・だな」
俊「〈面倒〉なだけ・・・ね。フフッ、さすが僕以上に残酷な〈能力〉を持ってるだけはある」
希「、」
俊「まぁ、だからこそお前が簡単に殺られる可能性は低いんだけどな」
希「そうでもない・・・。〈能力〉がなかったら・・・・俺は人並み以下だ」
俊「だといいですけどね」
何が言いたいって感じで俊を見たら、クスクス笑うだけ。
無視して、俺は話を逸らす。
希「・・・心配すべきは・・・・洋一だと思うぞ」
俊「心配はしてないけど・・・そうだね。もし襲われたら、」
希「けど・・・それは、俺達にも言えることだ。アネキは心配ないけど・・・・。
―――空に逃げ場はないからな・・・」
◇ ◇ ◇
未来「望ー」
望の声「未来ちゃん!?望と一緒に裸のお付き合いをしてくれる気になったの!?」
未来「口を閉じろ生ゴミ。濡れて臭ぇ服をずっと着続けるって言うなら、この着替えは外に捨てる」
望の声「Σ捨てないで!ごめんなさい、ごめんなさい!スッゴク助かりました!」
未来「ここ置いとくからな。・・・後、気を付けろよ」
望の声「きゃわーん!未来ちゃんが望のこと心配してくれてるー!萌え死ぬー!!」
未来「そのまま死んで2度と復活してくんな」
そう言って、脱衣所の扉をバタンッと力強く閉める。
中から望が何かを言う声が聞こえてきたが、彼女は無視して歩き出した。
陰で誰かがその様子を見ていたことに、気付かないまま―――
隠れていた者は、去って行く未来を見てクスッと笑った。
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