番外編

□秘密の日常
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――PM.12:30、

〈女子3人が通う中学校〉


紗那「じゃあ、□□中に行く用意をするからくーちゃんと楓は生徒会室で食べてるの〜?」


瑠璃「うん。後、悠香は今日までに仕上げたい絵があるからって美術室に籠ってる」


未来「皆色々大変なんよ」



中庭のベンチに座って弁当を食べながら、彼女達はそんな会話をしていた。



未来「暇なお前等と違ってな(爽笑」


紗那「サラッと酷いよ、未来」


瑠璃「ところで2人共、」


紗那「?」
未来「ん?」


瑠璃「最近洋一達にメールとかしてる?」







・・・・・・。







紗那「今日もいい天気だね〜」


瑠璃「スルーすんな」


未来「月に1度はそれ聞いてくんのな、お前」


瑠璃「だって気になるから」
瑠璃「(その後の展開が・・・)」


未来「用もねぇのにメールなんかするわけねぇだろ」


瑠璃「だよね。お前はそーいう奴だよね」


紗那「私も・・・なんて送ればいいのか分からないから」


未来「俺達にんなこと聞いてくるお前はどーなんだよ」


瑠璃「うち?うちはしてるよ。暇な時たまに洋一と」


紗那「どんなやりとりしてるの?」


瑠璃「近況報告し合ったり、くだらないやりとり続けたり・・・そんな感じ」


未来「ホントに暇なんだなお前・・・(呆」


瑠璃「うん、洋一も暇なんだろーね。本っ当にくだらなくてしょうもないメールがくるから。

2人にはこないの?洋一だけじゃなくて篠原とか、如月とかから」


未来「あの2人が洋一みてーなことすると思うか?」


瑠璃「全く思わない」


未来「大体、俺は電源つけてねぇし。海ちゃん達もそれ知ってるからしてこねぇんだろ」


瑠璃「えー、そうかなー」


紗那「それに如月君と篠原君は未来と同じで、何か用がないとメールとかしない人だよ〜」


瑠璃「うん、まぁ、それはそうなんだけど・・・」
瑠璃「(それでいいのかな、篠原は・・・)」



食べ終えた弁当箱を片し、ベンチの背もたれにもたれかかる。

そして、空を見上げ・・・



瑠璃「つまんないなぁ。

ね、紗那、今如月にメールしてみてよ」


紗那「ふぇ!?な、何で!?するなら瑠璃がすれば―――」


瑠璃「うちがしても面白くないじゃん。ちょっとは自分からアタックしなきゃ」


紗那「で、でも〜・・・」


未来「案外、色んな女子に告られてたり、学校で誰か好きな奴がいたり、もぅ既に付き合ってたりするかもな」



ケラケラと笑って彼女は言った。

その一言がショックだったのか、その一言に衝撃を受けたのか、紗那は今にも泣き出しそうな絶望的な顔をする。


すかさず瑠璃が言う。



瑠璃「ま、まだ分かんないでしょ、そんなの。

ただの冗談をそんなに真に受けちゃダメだよ、紗那」


紗那「だ、だってぇ・・・」


未来「そんなに心配なら、付き合ってる人とか好きな人いるー?って如月にメールで聞きゃいーじゃん(笑」


瑠璃「そうだよ。そこから色んな話に発展させていって、メールを続ければいいんだよ」


紗那「今まで全然やりとりしてなかったのに、そんな直球メール送れないよ〜!」


瑠璃・未来「「(ダメだ、こりゃ・・・)」」









――PM.12:40、

〈男子3人が通う中学校〉


洋一「一思いに殺してくれぇー・・・(泣」


希「急に・・・何だ?」



場所は屋上。

天気がいい日は主に、彼等はここで弁当を食べる。


今日もいつもと変わらず、同じクラスの海斗と希の2人が先にここへ来て座っていれば、

洋一が弁当片手にトボトボとやって来た。


そして開口1番のセリフが上の通り。



海斗「死にたいならここから飛び降りれば?すぐに、そして楽に逝けるよ」


洋一「そんな冷てぇ返事は今欲しくねぇ!(泣」


海斗「何なの。面倒臭い」


希「何が・・・あったんだ・・・・?」



話を聞いてみれば以下の通り。


ここへ来る途中、クラスの女子に大事な話があると空き教室に連れて行かれた。

そしてそこで告白された。


それに断れば、女子は泣いて走って行ってしまった。


女子を泣かせてしまった、ということで洋一はダメージを受けた。



・・・ということだった。



希「そんなの・・・今回が、初めて、って・・・・わけじゃ、ない・・・だろ?」


洋一「そーだけどさぁ・・・。さすがに胸が痛むんだよ」


海斗「ならOKすればよかったのに」


洋一「それはそれでダメだろ。相手は俺のこと好きでも、俺は・・・」


希「付き、合ったら・・・洋一も、好きに、なる・・・・かも、しれない」


洋一「・・・なれねぇよ、きっと」


海斗・希「「何で?」」


希「他に・・・好きな、奴・・・・いるのか?」


洋一「いや、いねーけど・・・」


海斗「単純にタイプじゃないから?」


洋一「そーいうんじゃなくて・・・何つーか。

だぁぁっ!ダメだ!表す言葉が思いつかねぇ!」



↑バカだから。



洋一「ってか、お前等こそどーなんだよ!」


希「?」
海斗「何が?」


洋一「2人だって告白されることあるだろ!何で断るんだ?」


希「海斗は・・・単純明快」


海斗「希、本当に枕没収するよ?


希「ごめんなさい・・・」


洋一「?」


海斗「僕はいいとして、希はどうなの?」


希「どうって・・・言われ、ても・・・・。やっぱり、好き、じゃ・・・ないから。

好きじゃ・・・ない人とは・・・・付き合えない」


洋一「だよな!だよな!逆に相手を傷付けるだけだもんな!」


海斗「(谷垣さんにとっては喜ばしいことなのかな・・・?それともその逆?)」



などと考えていた彼の頭に、ふと1つの疑問が浮かび上がる。



海斗「希ってそもそも人を好きになったりするの?」


希「かなり・・・酷い」


洋一「言い過ぎだぞ、海斗。希にだって動物に向ける愛情があるんだ。

だから人にだって愛情を向けられるはずだ・・・多分!俺はそう信じたい!」


希「洋一が・・・1番、酷い」



確かに今まで好きな人や気になる人がいたことはないけど・・・と考えながら彼は言う。



希「なぁ、海斗・・・。

逆に・・・どういう、風に・・・・人を、好きに、なるんだ・・・?」


海斗「何それ、仕返し?」


希「純粋な・・・疑問」


海斗「だったら尚更僕に聞かないで」


洋一「まぁ、あれだな」


海斗・希「「?」」


洋一「俺達に恋愛の話はまだ早いってことだ!」



自信満々に言う彼を見て、海斗と希が〈洋一は特にな〉と思ったのは言うまでもない(笑







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