番外編

□秘密のお題
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◎続・性格チェンジ Pattern1





ルッスーリア「これもいいんじゃない?」


未来(瑠璃)「あっ、いいですね、いいですね!未来に似合いそう!」



キャッキャ、キャッキャ言いながら、2人は楽しそうに服を選んでいた。


先程、ルッスーリアとスクアーロに自分達が入れ替わったことを説明し、

未来(瑠璃)が今していることを話せば、ルッスーリアも未来を着飾りたいと言い出し、こんな状況になってしまっている。



そんな彼女達から離れた場所、店の外にいる海斗とスクアーロは揃ってため息を吐いた。



スクアーロ「あの未来がこれを見たら暴れ出すぞぉ」


海斗「鬼の居ぬ間に、というものですよ」


スクアーロ「だなぁ。―――時に海斗、」


海斗「何ですか?」


スクアーロ「前から思ってたんだが、お前・・・いつの間に未来を名前で呼ぶようになった」



問われた海斗はそんなことを言われると思っていなかったのか、キョトンとした顔になる。

が、すぐにそれは勝ち誇ったような顔に変わった。



海斗「さぁ?」


スクアーロ「テメェ・・・俺の弟子に手ぇ出してんじゃねぇだろぉなぁ(微黒」


海斗「スクアーロさんこそ、師匠という名目で未来さんに変なことをしているんじゃないですか?」


スクアーロ「俺がそんなことするかぁ!」



海斗「そうでしょうね。だってスクアーロさんはヘタレですからね(爽笑」



スクアーロ「う゛お゛ぉぉい!掻っ捌かれてぇのかぁ!!」


ルッスーリア「ちょっとぉ、こんなところでケンカしちゃダメよ」



今にも互いに武器を出して戦闘を開始しそうな彼等の許に、紙袋片手にルッスーリアが店か出てきて彼等のケンカを止める。

そして、両手を頬を当ててクネクネ体を揺すり始めた。



ルッスーリア「1人の女の子を取り合うなんてどこかの少女マンガみたいね〜Vv」


スクアーロ「キモイぞぉ、お前・・・」


海斗「東雲さんは一緒じゃないんですか?」


ルッスーリア「あらぁ、ちゃんといるわよ。瑠璃〜、いらっしゃ〜い!」



彼女・・・否、彼がそう呼ぶと、「は〜い」という声が店の柱からして、未来(瑠璃)が姿を現す。

その彼女の姿を見て、海斗とスクアーロが同時に顔を赤くさせた。



ルッスーリア「やっぱりよく似合ってるわね〜、そのワンピース」



そう、未来(瑠璃)が着ているのは、フリルがふんだんに施された薄い水色のキャミソールのようなワンピース。

ワンピースの丈は膝よりもだいぶ上で、動くと見えるか見えないかのギリギリのライン。

ニーハイは穿かずに未来のスラリと細い足を大胆に見せている。



未来(瑠璃)「篠原、スクアーロさん、どう?」


海斗「どう、と・・・言われましても、」


スクアーロ「な、中身は瑠璃だろぉがぁ」


未来(瑠璃)「って言いつつ、視線を彷徨わせてる2人をどう思います、ルッスーリアさん(笑」


ルッスーリア「ウブねぇ〜Vv」


スクアーロ「たっ、たたっ斬られてぇのか、テメェ等ぁ!!」


未来(瑠璃)「落ち着いて。中身はうちでも、体は未来なんですか―――ら?」



その瞬間、彼女の視界がグラリと揺れた。

周りの声や音もグチャグチャになって、まるで脳をかき回されたような気持ち悪さが彼女を襲う。


グニャグニャに歪んだ視界の端で、海斗達の驚いたような顔が見えた。

そして、そこで・・・





彼女の意識もまた、プッツリと途絶えた。











― Side Green ―


ベル「姫!?」


山本「おい!大丈夫か、谷垣!?」



ゲームセンターにいた紗那(未来)も彼女達2人と同じ時間、同じように意識を失っていた。


希が彼女の右腕を掴んでいたことで彼女は床に倒れ込むことはなく、今は希の胸に倒れかかっている状態だ。

突然のことに、彼女の傍にいた4人は驚いている。



希「しっかり、しろ・・・。何が・・・・あったんだ?」


マーモン「分からないよ」



抱きしめられていたマーモンは彼女の腕から抜け出し、フヨフヨと浮いて小さな手で気を失っている紗那の顔をペチペチ叩く。


すると・・・



紗那「んぅっ・・・」



目が覚めたのか、彼女はゆっくりと目を開ける。

しかしその目は虚ろで、焦点が合っていないのかボーッとしたままだ。



希「貧血、か・・・?」


紗那「?」



彼の声が聞こえたのか、彼女は小さく首を傾げる。

そして、彼の方を向いて・・・



紗那「きっ、如月君////!?」
紗那「(な、何でこんなに近いの////!?・・・っていうか今私、如月君に////!)」


紗那「ごっ、ごめんなさいっ////!」



顔を真っ赤にさせながら、バッと希から離れる。

そして、自分が今いる場所がショッピングモールの中でないことに気付き、彼女は「え?え?」と言いながら混乱した。



紗那「何で私、こんなところに・・・」


ベル「姫、本当に大丈夫なのかよ?」


山本「さっきはビックリしたのな」


紗那「え、ベル君?山本君・・・?」





希「谷垣・・・か」


マーモン「どうやら、元に戻ったみたいだね」


希「!気付いて・・・たのか?」


マーモン「まぁね」





紗那「え、えっと、私・・・」


ベル「ってことで、姫とデートすんのは俺な」


紗那「へ?デート?」


山本「おいおい、まだ勝負はついてねぇだろ?」


ベル「王子が勝つに決まってるし」


山本「そいつは分からねぇぜ?」


紗那「あ、あの・・・2人共?」





マーモン「未来も彼女に変な置き土産を残したね」


希「?」











― Side Orange ―


瑠璃「うっ・・・頭、痛っ」



右手で頭を押さえながら、彼女は意識を覚醒させた。

ぼやけた視界の中、誰かが自分を見下ろしているということが分かる。



瑠璃「(誰・・・?)」


「起きたか」


瑠璃「(へ?あれ・・・?この声、もしかして・・・・)」



ぼやけた視界が鮮明になる。

そうして、見えた人物は・・・



瑠璃「ボ、ボス!?」


XANXUS「相変わらず騒がしい野郎だ」



意識を失って床に倒れそうになった彼女を助けたのか、彼は瑠璃を自分の右腕の中に収めていた。

そのあまりの衝撃に、瑠璃の思考は追いつかない。



瑠璃「な、何で、うち・・・」


レヴィ「ぬ、お前はもしや・・・」


洋一「もしかして戻ったのか?」


瑠璃「え、レヴィさん?洋一・・・?どーいう状況?」


洋一「さっきまで東雲達が入れ替わったことを谷垣と一緒に2人に説明してたんだ」


瑠璃「ここは・・・?」


洋一「ショッピングモール。谷垣は笹川と三浦と一緒に新作ケーキの試食会、だっけ?に来たらしいぜ」


瑠璃「新作ケーキ!?も、もしかして紗那の奴・・・うちの体でいっぱい食べたんじゃ、」


洋一「谷垣のことだから食ってるだろ、そりゃ(苦笑」


瑠璃「うわぁぁぁん!!ダイエットしてたのにーーー!!(泣」


XANXUS「るせぇ」



  ドサッ



腕に収めていた彼女を放す。

放されたことで瑠璃は床に尻餅をついた。



瑠璃「いったー!な、なにも、放すことないじゃないですかー!」


XANXUS「重ぇ」


瑠璃「(Σ今1番気にしてることをサラリと言われたーーー!!)」











― Side Purple ―


ルッスーリア「ちょっと、どうしたの瑠璃!?」


スクアーロ「何で急に・・・」


海斗「東雲さん、しっかりしてください」



こちらも意識を失って倒れかけた未来(瑠璃)を海斗が支えていた。


3人の呼びかけに未来の瞼がピクリと反応する。そして、彼女もゆっくり目を覚ました。



未来「ん〜・・・海ちゃん?」


海斗「!未来さん・・・あなたは未来さんですね?」


未来「あぁ〜・・・多分、元に戻ったっぽい。てか、頭痛ぇ・・・・」


ルッスーリア「あら残念。もう戻っちゃったの?」


スクアーロ「平気かぁ、未来?」


未来「スクにルッス姐・・・?あ、じゃあここショッピングモール?」


海斗「そうですが・・・どうしてそれを、」



軽く海斗に支えられながら、未来は頭を押さえて起き上がる。

・・・と、そこで違和感。妙に股がスースーする。


不思議に思い、自分が着ている服を見る。

そこで、




未来「Σギャーーー!!なっ、何じゃこりゃーーー!!?




絶叫。


ワンピースの丈のあまりの短さに、彼女は顔を真っ赤にさせて裾を両手で引っ張る。



未来「ななななっ、何で、こっこんなことにっ・・・////」


ルッスーリア「私と瑠璃で見立てたのよ。どう、気に入った?」


未来「ΣΣ何て嫌がらせだ!?こんな恥ずかしいカッコ、気に入るわけねーだろ!」


ルッスーリア「あらぁ、凄く似合ってるのに・・・。あなた達もそう思うわよね?」


海斗・スクアーロ「「っ////」」



↑目のやり場に困っている2人(笑


未来はその場にしゃがみ込み、またも絶叫する。



未来「うわぁぁぁん!僕もうお婿にいけないーーー!!!」


スクアーロ「Σお前の場合は嫁だろぉ!」



と、彼女を見てツッコミを入れるスクアーロだったが・・・



スクアーロ「ΣΣ―――っ////!」



グルンッと顔を逸らした。

それもこれも、未来の今の体勢が問題だった。


無防備にしゃがみ込んだ彼女は、特に短いワンピースに気を配っていない。


今まで1度もそんな格好をしたことがないので、

そして制服などのスカートの下にはいつもスパッツか短パンを穿いているので、当然と言えば当然なのだが・・・。


彼女の細い両足の合間から、見えてはいけないものが見えてしまっている。



海斗・ルッスーリア「「?」」



顔を真っ赤にさせて不自然に顔を逸らしたスクアーロに、2人は疑問符を浮かべる。

未来の傍にいる2人には分からない。


が、そこは鋭いルッスーリア。しゃがみ込む未来に彼は声をかける。



ルッスーリア「未来、下着が見えちゃうわよ」



それを聞いた海斗はスクアーロを冷めた目で見つめる。



海斗「スクアーロさんもレヴィさんと同種でしたか」


スクアーロ「俺をあいつと一緒にするなぁ!お、俺は何も見ちゃいえねぇ!!(汗」


ルッスーリア「スク、誰もあんたが見たなんて言ってないわよ」


スクアーロ「うっ・・・(汗」


海斗「一体、スクアーロさんは何を見たんでしょうね(黒笑」



黒い笑みを浮かべながら、彼は右手にモーニングスターを構える。



未来「瑠璃の奴・・・ゼッテー許さねぇ」







こうして、入れ替わった3人は元に戻った。


しかし、3人共何かしらのダメージを喰らう結果になりましたとさ(笑





Fin.



性格チェンジというより・・・中身の入れ替えになったような気がします(苦笑


また違った別のパターンの性格チェンジは次のページからどうぞ。




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