番外編

□秘密のお題
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◎続・性格チェンジ Pattern1





瑠璃(紗那)「・・・・・・(汗」



大きなショッピングモールの中で、彼女はピンチをむかえていた。

それは、今目の前にいる人物が齎したものだった。



XANXUS「もう1度聞く、テメェは誰だ」


瑠璃(紗那)「・・・・・・(滝汗」


レヴィ「ボス、ここは俺が吐かせます」



ぬぅんと近付いて来るレヴィに、瑠璃(紗那)は「ひっ・・・」と小さな悲鳴を上げる。

ムッツリは生理的に受け付けないようだ(笑




何故、彼女がこんな状況に陥っているかというと・・・



瑠璃(紗那)「(トイレなんか行かなきゃよかった〜!)」



京子とハルと新作ケーキの試食を楽しんでいた彼女は、途中にトイレへ行った。


そして、トイレから京子達がいる試食会のところへ戻ろうとすれば、このボス様にぶつかってしまった。

謝ってすぐに立ち去ればよかったものを、顔見知りだった為に彼女は立ち止まってしまったのだ。


超直感を持つ、彼の前で・・・



彼はすぐにこう言った。「あのドカス女じゃねぇな」、と・・・



瑠璃(紗那)「ちょっ、と、とりあえず落ち着いてくださ〜い!ムッツリさんも来ないでくださいっ!(汗」


レヴィ「!〈ムッツリさん〉・・・?」


XANXUS「ハッ。そういうことか」



彼女が言った〈ムッツリさん〉という言葉で、XANXUSは彼女が誰であるのかを理解した。


瑠璃はレヴィを〈ムッツリ〉と呼ぶ時もあるが、基本的に〈レヴィさん〉と呼んでいる。

レヴィのことを〈ムッツリさん〉と呼ぶのは、ただ1人しかいなかった。



XANXUS「ベルに気に入られた女だな」


レヴィ「あの妖艶な娘が・・・!?海斗の幻覚か!?」


瑠璃(紗那)「ちっ、違います!(汗」
瑠璃(紗那)「(っていうかムッツリさん気持ち悪いよ〜!)」



どう説明するべきか彼女が悩んでいると・・・





「あ、いた!東n―――あぁ、また間違った!谷垣ー!」




瑠璃(紗那)「!洋一君!」
瑠璃(紗那)「(いいところに〜!)」


洋一「探したぞー・・・Σって、何でボスとレヴィが!?」


レヴィ「洋一、これは一体どういうことだ」


洋一「へ?どーいうことって・・・もしかして、バレたのか?」


瑠璃(紗那)「うん、もうあっさり・・・」


XANXUS「ドカス女はどうなった」


洋一「えっと、それって東雲のことでいいんだよな?んー・・・話せば長くなるんだけどさ、」











― Side Red ―


未来(瑠璃)「篠原〜!篠原はどれ着てほしいー?」


海斗「僕に聞かないでください」



ハァ、とため息を吐く彼は、今現在、未来(瑠璃)と一緒に繁華街にあるショッピングモールに来ていた。


というのも、未来(瑠璃)が暇だ、暇だと連呼し、

その度に海斗に未来の声で色々と言ってくるので、とうとう海斗が折れたのだ。


そして、未来(瑠璃)は未来本人だと絶対に着ない服を選んでいる。


未来にそんな服を「着ろ」、と言っても必ず断られる。

ならば自分が彼女の中に入っている今がチャンス!未来を着飾るために、彼女は必死だった(笑



未来(瑠璃)「こっちのワンピースかこっちのミニスカートだったらどっちがいい?」


海斗「あなたがいいと思った方を着ればいいでしょう」


未来(瑠璃)「それじゃダメだよ。篠原には好きな子の服を選んで、その子を飾りたいと思う心はないの?」


海斗「残念ながら僕には皆無ですね」


未来(瑠璃)「そんな捻くれてるから未来のハートを射止められないんだよ」


海斗「それとこれとは関係ないでしょう」


未来(瑠璃)「いや、絶対あるね」



2人がそんな言い合いをしていると・・・





「んまぁっ!」





海斗「え・・・」


未来(瑠璃)「あれ?うちの気のせいかな?今、スッゴク聞き覚えのある声が・・・」



声がした方に2人が視線を向ければ・・・

そこには両手で口元を覆って「キャー!」と奇怪な声を発するルッスーリアと、何故か固まっているスクアーロが立っていた。



海斗「どうして、あなた達がこんなところに・・・」


ルッスーリア「今はそんなことどうでもいいわ!それよりあなた達、告白はどっちから!?」


海斗・未来(瑠璃)「「はい?」」


スクアーロ「っ・・・そうかぁ。テメェ等はもうそんな関係になってたのか」


未来(瑠璃)「そういう関係って・・・?」


ルッスーリア「彼氏に服を選んでほしいなんて・・・やっぱり未来も女の子なのね〜Vv」


海斗・未来(瑠璃)「「!!」」



そこで2人は、ルッスーリアとスクアーロが何を言っているのかを正しく理解した。


彼等は、ワンピースとミニスカートを持つ未来(瑠璃)が海斗と話しているのを見て、

恋人同士のデートだと勘違いしたのだ。


海斗は軽く眩暈を起こしそうになりながら、全力でそれを否定する。



海斗「違います!!誰がこんな人と・・・」


ルッスーリア「こんな人!?ウソでしょ、海斗。だってあなた・・・」


未来(瑠璃)「すいませーん。うち、未来じゃなくて瑠璃です」


ルッスーリア「えっ・・・?」
スクアーロ「だとぉ?」


未来(瑠璃)「これには色々と事情があって・・・」











― Side Light Blue ―


紗那(未来)「な、なんか・・・凄い白熱してるよ〜(苦笑」



格闘ゲームから始まり、シューティングゲーム、カーレースゲーム・・・etc.

とにかく、様々なゲームで勝負をしているベルと山本を見て、彼女は乾いた笑みをこぼす。


一体、どうすれば決着がついたことになるのか、彼女には全く分からない。



マーモン「この調子だと、ここにある全てのゲームをやり尽くしそうだね」


紗那(未来)「ベル君も山本君も負けず嫌いだからね〜」


マーモン「それ以前に、ベルは絶対に負けを認めないと思うよ」


紗那(未来)「うん、私もそう思う・・・」


マーモン「最悪、ここが血の海に変わるかもしれない。そうなった時は君が何とかしてよ、―――未来」


紗那(未来)「それは無r―――って、今未来って言った!?」


マーモン「言った」


紗那(未来)「な、何で・・・」


マーモン「谷垣紗那なら僕を抱きしめたりしないよ。僕を抱きしめる奴はベルか未来、君ぐらいだからね」


紗那(未来)「ぅぁちゃ〜・・・俺もまだまだだな」



額に手を当てて「しまった」という顔をする彼女に、マーモンはやれやれとため息を吐く。


彼女の口調が変わっても、ゲームに夢中になっている山本とベルは全く気付かない。

というより、この場所にあるたくさんのゲームの音で彼女の声がかき消されるので、抱きしめられているマーモンにしか聞こえないのだ。



マーモン「何があったの?幻覚でもなさそうだし・・・」


紗那(未来)「ちょっとリボーンに薬を盛られまして・・・。

俺と紗那と瑠璃の中身がそれぞれ入れ替わったんだ」


マーモン「情けないね。あんなバカチビにやられるなんて」


紗那(未来)「そうだよな。コーヒー派のあいつが紅茶を出した時点でおかしいのに・・・」


マーモン「ベルに正体がバレたら殺されるよ」


紗那(未来)「アハハ、やっぱし?」



頬を掻き、「今の内にばっくれちまうか?」などと彼女が考えていると、その頭に誰かの手が覆い被さった。



紗那(未来)「ほへ?」





「やっと・・・見付けた」





紗那(未来)「あ・・・如月?」



声を聞き、顔を上げて後ろを見てみれば、あいた片手で耳を塞ぐ希が傍に立っていた。


ゲームセンターの騒音が苦手なのだろう。彼は微かに不快感を露わにしている。



希「随分・・・探した。・・・・帰るぞ」


紗那(未来)「え、なして?」



紗那(未来)の右腕を引いて、希は早くここから出ようとする。

だが、



山本「待てよ、如月」


ベル「急に来て、姫連れ去ろうとするとかお前何様?」


希「は・・・?」



紗那(未来)「おぉ、またまた面白ぇ展開だな(小声」


マーモン「他人事じゃないよ。どうするの、これ。僕は助けないよ(小声」


紗那(未来)「えぇー。見捨てねぇでくれよ、マーモン(小声」



この三つ巴の戦い・・・勝つのは、果たして(笑










― Side Pink ―


洋一「――ってわけなんだ。だから、今ここにいる東雲は外見は東雲だけど、中身は谷垣ってこと」



XANXUSとレヴィに、洋一は紗那達が入れ替わった話をした。

隣にいる瑠璃(紗那)は彼の説明にうんうんと頷いている。



レヴィ「そんなことがあり得るのか・・・?」


洋一「入れ替わった3人を見てみれば分かるって。ホントに中身違ぇから(苦笑」


XANXUS「そんな状態で、よく外をうろついてやがるな」


瑠璃(紗那)「それは未来を探して・・・って、あー!そうだ!私、未来を探してたんだった!」


洋一「え、忘れてたのか!?」


瑠璃(紗那)「ケーキの甘〜い誘惑に負けちゃったの〜!でもケーキに罪はないんだよ!

悪いのは新作ケーキの試食会なんてやってる店の人達だもん!あ、そういえば京子ちゃんとハルちゃんも待たせたままだった!」


洋一「風花も谷垣も、入れ替わってるのに全然堪えてねぇんだな。スッゲー満喫してる・・・」


XANXUS「で、いつになったらそいつ等は元に戻るんだ?」


洋一「リボーンは今日中って言ってたけど・・・。ってか、ボスが気にするなんて意外だな」


XANXUS「フンッ」


瑠璃(紗那)「私、ちょっと京子ちゃんとハルちゃんのところに行ってくるね」



そう言って、彼女は駆け出す。

そのまま試食会の場所へ行こうとする彼女だったが、その時、突然―――



瑠璃(紗那)「えっ・・・」



視界が、グラリと揺れた。

目の前が1回転したかと思うと、体のバランスを崩して倒れそうになる。



洋一「谷垣!?」



彼のそんな驚きの声が遠くで聞こえたような気がした。


そこで・・・





彼女の意識はプッツリと途絶えた。







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