番外編

□病院内ではお静かに
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《カウントダウン―――スタート》


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瑠璃「大人しく入院しろ!!」


獄寺「るっせぇ!こんな傷、大したことねーんだよ!!」



ツナの病室から獄寺を引っ張って、うちはお医者さんのところに連れて行こうとしたんだけど、獄寺に振り払われたの。

それで獄寺を追ってやって来たのは並盛公園。



瑠璃「あーそーですか。もうどうなっても知らないからね」


獄寺「ケッ、どうにもならねーよ」


瑠璃「ふぅ〜ん・・・。そんなこと言ってられるのも、今の内だと思うけどなぁ」


獄寺「どういう意味だ?」


瑠璃「ツナにも、ひょっとしたら関わるかもしれないんだよ?」


獄寺「!・・・10代目にだと?」



よっし!食いついた!!

うちが心の中でガッツポーズを決めてたら、獄寺が険しい顔で急に詰め寄ってきたの。



獄寺「テメー、そりゃ、どーゆーことだよ!まだ10代目に何かあるっつーのか!?」


瑠璃「まーまー、落ち着いて」


獄寺「落ち着いてられっか!10代目にこれ以上何かあったら俺は・・・。

言え!何なんだよ!」



うちは少し獄寺から視線を外して、俯きながら言う。



瑠璃「獄寺は・・・










呪われてるんだよ










・・・・・・。







その言葉の意味が分からなかったのか、獄寺は無言で固まっちゃった。うん、無理もないね。



獄寺「・・・のろい?」


瑠璃「そうだよ。その呪いだよ。

実はさっき、ツナを励まそうと神主さんの格好をしたハルに会ったの。

本物の神主さんになろうって、お祓いとか占いのことも結構勉強したんだって。


そしたら、分かったらしいよ」



獄寺の顔は見ずに、視線を地面に落としたままうちは声を落として言うの。



瑠璃「呪いによる不幸のカウントダウンは、もう始まってるんだって。


それを何とかするためには・・・獄寺!!」



  ビシッ!



うちが顔を上げて人差し指をつきつけたその先に―――



獄寺の姿はもうなかった。







瑠璃「あれ・・・?」



あいつ、もしかして・・・!



瑠璃「帰りやがったな・・・!(怒」



こうしちゃいられない!早く獄寺を追わなきゃ!!







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走って探してたら、商店街で奴の姿を発見。


気付かれないように尾行しなきゃ!



獄寺「ったく、何が呪いだ、あのバカ女・・・」



耐えろ、耐えるんだ、うち。

たとえ近くで自分の悪口を言われていたとしても・・・



獄寺「俺が呪われてる?バカかよ、んなことあるわけ・・・・・っ!」



言葉の途中で、獄寺が急に立ち止まった。


きっと傷が痛いんだ。



瑠璃「(だから入院しろって言ったのに。獄寺のバーカ)」




獄寺「痛つつ・・・。こりゃ、早いとこ帰って、手当てしねーとな」


そう呟いた彼の目が、ハッと見開かれる。




瑠璃「獄寺は・・・呪われてるんだよ」




獄寺「いや・・・おい、待て待て」



瑠璃「?」



1人で何言ってるんだろ、あいつ。



獄寺「これは・・・あれだろ。

10代目がケガしたって聞いて、それで信号なんか待ってらんねーってなったから・・・」



待てよ、そこは。普通に。



  ズッ!



獄寺「わっ!」



瑠璃「!?」



獄寺の体がガクッとゆらいで、そのまま倒れそうになったところをなんとかバランスをとって踏みとどまったの。



獄寺「あ、危ねー・・・」



瑠璃「(何?何があったの?)」



そう思って獄寺の足元を見てみたら、そこには空き缶が落ちてた。

それを踏みつけて転びそうになったんだね。


フッ、ドジな奴め。人の悪口ばっかり言ってるからそーいうことになるんだ。



獄寺「んだよ。これくれー、よくある・・・」



  ズボッ!



獄寺「うおっ!」



また獄寺の体が大きくゆらぐ。

何気なく後ずさりしたそこに、何かの工事中みたいな小さい穴が開いてたんだ。


獄寺の右足は、そこに思いっきりハマってた。何あいつ、ダサッ(笑



獄寺「くっ・・・。

いやいや・・・これくれー、よくあるよくあ―――」




  ズガ―――――ンッ!




獄寺「っっっ!!」



瑠璃「―――っ!!?」



思わず、叫びそうになった。


何でってそりゃ・・・獄寺の目の前にまるでギロチンみたいな勢いで、金属製の看板が落ちてきたからだよ。



獄寺「これくれー・・・よく・・・・よくあ・・・・・・








って、よくあってたまるかーーーっ!!!





テメー、ざけんじゃねーぞーっ!」





商店街に獄寺の怒声がはじける。


いや、獄寺・・・







看板に向かって喋ってるって、かなりイタイよ。







獄寺「バ、バカじゃねーの・・・。こんな・・・・呪いなんかのわけねーだろ・・・。

あんなバカ女の言うことなんて・・・」





それでもまだうちの悪口を言うか・・・。



天罰がくだればいいのに。





獄寺「あんな・・・バカ女の言うことなんて、」




瑠璃「ツナにも、ひょっとしたら関わるかもしれないんだよ?」




獄寺「!・・・10代目・・・・にも・・・」



あれ?なんか獄寺の声震えてない?

どうしたんだろう・・・



獄寺「10代目ぇっ!」



急にツナのことを叫んだと思えば、獄寺はどこかに走り出す。


Σちょっ、足速っ!!

しかも、遠くで車のブレーキ音と何かの衝突音、そして・・・




獄寺の声「ぐはっ!!




っていうおかしな声が聞こえるんですけどーーー!!!


ヤバい、ヤバい。ほうっといたら確実にあいつ死ぬ!


そう思ったうちは、必死で獄寺の後を追う。







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