Ver.黒曜・リング編
□残された手段
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希「・・・?」
今しがた起こったことに、彼は自分の頭に触れて眉を寄せる。
他の4人も頭を軽く叩いたり、頭を擦ったりと、似たような反応を示していた。
瑠璃「何をしたの・・・?」
フギン「チョっとしタ手助ケ♪」
ムニン「時間を巻き戻せば・・・分かる」
海斗「パラレルワールドにならないようにした、ということですか?」
フギン「巻き戻セば分カるヨ」
希「答える、気が・・・ないん、だな・・・・」
神「悪いな。このフギンとムニンはこういう奴等なんだ。
けど、今回は信用していい」
瑠璃・海斗・希「「「(いつもは信用しない方がいいんだ/のか)」」」
紗那「分かった。信用する」
洋一「手助けをしてくれたんだったら礼を言わねぇとな!
サンキュー、えっと・・・フギンとムニン!」
フギン「ドういたしマしテ」
ムニン「、(コクッ」
洋一「よし!それじゃあ今度こそ行くか!」
紗那「気を取り直して、だね〜」
瑠璃「それはいいんだけど・・・2人はもうちょっと人を疑うってことをしようね」
海斗「言うだけ無駄ですよ」
希「同感」
神「いいか、お前達。寿命を縮めるソレを使うんだ。チャンスは1度だけだと思え」
洋一「あぁ、分かってる!」
瑠璃「ちゃんとあいつを連れ戻して、またここに来るよ」
海斗「もう絶対失敗しません」
希「肯定」
紗那「今度こそ皆で笑って「ただいま」を言うね〜」
5人はそれぞれそう言って、
その後に声を揃えて・・・
5人「「「「「行ってきます!」」」」」
砂時計を逆さにした。
5人を除いて、時間が巻き戻される。
5人の周りで、世界が巻き戻っていく。
砂時計は、5人にとってベストな時間に砂を止めた。
場所は、彼女達が住んでいた家のリビング。
時間は、午前11時。
丁度、瑠璃と洋一、海斗と〈彼女〉を連れて来た黒い炎が晴れ、全員集合した時間だった。
5人「「「「「!!」」」」」
リビングのそれぞれの場所にいる5人は見た。
今はまだ消えていない
―――〈彼女〉の姿を・・・。
瑠璃・紗那「「(未来・・・!)」」
洋一・希「「(風花・・・!)」」
海斗「(未来さん・・・!)」
全てを背負う覚悟と決意を瞳に宿し、凛とした顔の〈彼女〉はやはり、
不敵な笑みを浮かべていた。
瞬間、頭の中で誰かが・・・「リトライスタート」と告げたような気がした。
笑う道化と5つの想い
To be continued...
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