Ver.黒曜・リング編

□残された手段
7ページ/10ページ

.


希「・・・?」



今しがた起こったことに、彼は自分の頭に触れて眉を寄せる。

他の4人も頭を軽く叩いたり、頭を擦ったりと、似たような反応を示していた。



瑠璃「何をしたの・・・?」



フギン「チョっとしタ手助ケ♪」


ムニン「時間を巻き戻せば・・・分かる」



海斗「パラレルワールドにならないようにした、ということですか?」



フギン「巻き戻セば分カるヨ」



希「答える、気が・・・ないん、だな・・・・」



神「悪いな。このフギンとムニンはこういう奴等なんだ。

けど、今回は信用していい」



瑠璃・海斗・希「「「(いつもは信用しない方がいいんだ/のか)」」」


紗那「分かった。信用する」


洋一「手助けをしてくれたんだったら礼を言わねぇとな!

サンキュー、えっと・・・フギンとムニン!」



フギン「ドういたしマしテ」


ムニン「、(コクッ」



洋一「よし!それじゃあ今度こそ行くか!」


紗那「気を取り直して、だね〜」


瑠璃「それはいいんだけど・・・2人はもうちょっと人を疑うってことをしようね」


海斗「言うだけ無駄ですよ」


希「同感」



神「いいか、お前達。寿命を縮めるソレを使うんだ。チャンスは1度だけだと思え」



洋一「あぁ、分かってる!」


瑠璃「ちゃんとあいつを連れ戻して、またここに来るよ」


海斗「もう絶対失敗しません」


希「肯定」


紗那「今度こそ皆で笑って「ただいま」を言うね〜」



5人はそれぞれそう言って、


その後に声を揃えて・・・





5人「「「「「行ってきます!」」」」」






砂時計を逆さにした。











5人を除いて、時間が巻き戻される。









5人の周りで、世界が巻き戻っていく。











砂時計は、5人にとってベストな時間に砂を止めた。












場所は、彼女達が住んでいた家のリビング。











時間は、午前11時。











丁度、瑠璃と洋一、海斗と〈彼女〉を連れて来た黒い炎が晴れ、全員集合した時間だった。






5人「「「「「!!」」」」」






リビングのそれぞれの場所にいる5人は見た。


今はまだ消えていない














―――〈彼女〉の姿を・・・。










瑠璃・紗那「「(未来・・・!)」」
洋一・希「「(風花・・・!)」」


海斗「(未来さん・・・!)」






全てを背負う覚悟と決意を瞳に宿し、凛とした顔の〈彼女〉はやはり、












不敵な笑みを浮かべていた。




瞬間、頭の中で誰かが・・・「リトライスタート」と告げたような気がした。

















笑う道化

















To be continued...
あとがき→
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ