Ver.黒曜・リング編
□残された手段
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白、白、白、シロ、シロ、しろ・・・
現実味のない1面真っ白な世界。
そこにうち等はまたいた。
そして、やっぱりうち等の目の前には・・・
神「おかえり」
金色の瞳にエメラルドグリーンの髪の真っ白い服を着た神様(仮)が、柔和に微笑んで立ってたの。
とりあえず、「ただいま」を言う前にうちは疑問に思ったことを口にしてみる。
瑠璃「元の世界に戻れるんじゃないの?」
神「労いだとか報告だとかがあるだろう。
普通に何もなく元の世界に戻ってお前達が納得出来る、っていうなら話は別だけどな」
洋一「納得は・・・確かに出来ねぇな」
紗那「うん。話を全部終わらせないと気持ち悪いもんね〜」
神「だろ?それじゃあまずは、俺からこの言葉をお前達に贈らないとな」
ゴホンッ、って1つ咳払いをして神様(仮)は言葉を紡ぐ。
うち等5人の顔を見ながら・・・
神「あの世界を救ってくれて・・・ソイツを連れ帰ってくれてありがとう」
ソイツ、っていうのは・・・洋一がおぶってるうち等と同じ〈神の使い〉の人。
あの世界・・・〈REBORN!〉の世界では〈ユピテル〉って呼ばれてた人だよ。
洋一はその人を神様(仮)の近くに寝かせて、
うちは石みたいになっちゃった他の人達?のかな?の6つの〈神器〉を神様(仮)に渡す。
神「お前達がいてくれて・・・本当によかった」
ホッと安堵するように言う神様(仮)。
なんか・・・ちょっと照れくさいね(苦笑
海斗「〈参加者〉は本当にもうあの世界にいないんですね?」
神「あぁ。あの世界に、あいつ等の気配はない」
希「出入り口も・・・もう、ないから・・・・〈参加者〉が、現れることも・・・ないと、思う」
紗那「そうだね〜」
うん・・・出入り口はもう壊れて、なくなってるから。
・・・ん?あれ?そーいえば、
5人「(誰が出入り口を壊したんだっけ・・・?)」
神「?出入り口っていうのは?」
瑠璃「え、あ・・・えっと、簡単に言うと世界の中に〈参加者〉達がいる世界が隠されてて、
その出入り口はその世界にある何かしらの物体なの」
洋一「あの世界ではそれが3つあったみてーで、物体は古ぃ絵画とデケェ壺とルビーのブローチだったらしい」
そう・・・そうなんだけど、
―――その説明をうち等にしてくれたのは誰・・・?
神「そうか・・・なるほど。ということは、他の世界にも〈参加者〉達の世界が隠されている可能性があるのか」
海斗「・・・えぇ、そういうことになります」
神「なら、これからは〈参加者〉だけじゃなく、出入り口の問題も何とかしないとな・・・」
紗那「うん。そうじゃないと同じことの繰り返しになっちゃうもん」
神「それだけは絶対に避けてみせるよ。
よし・・・とりあえず、お前達は元の世界に戻ってよく休め。色々と大変だっただろう?」
瑠璃「大変・・・まぁ、そうだね」
希「出来れば・・・2度と、呼ばれたく・・・・ない」
神「それは本当に悪いけど無理だ(苦笑」
洋一「ソイツはどうなるんだ・・・?まだ、目ぇ覚ましてねぇけど」
神「目を覚ますまで、俺がここで面倒を見る。だから心配しなくていい。
起きて、すぐ動けるようになるさ」
洋一「そっか。ならよかった」
神「っと・・・元の世界に戻すにしても、服が違うとお前達の家族や知り合いが不思議がるな」
紗那「あ、そういえばそうだね〜」
瑠璃「でもうち、トリップする時に何着てたなんてもう忘れちゃったよ・・・」
洋一「俺も・・・(苦笑」
希「同じく」
紗那「私も何かうろ覚えだな〜・・・」
洋一「海斗はどうだ?自分の服もだけど・・・俺達の服とか、覚えてたりしねぇ?」
海斗「残念だけどね。ていうか、どうして僕が洋一達の服まで覚えてなくちゃいけないの?」
洋一「いや、海斗なら覚えてるかな〜・・・と思って」
紗那「私と如月君はこの格好でもまだ誤魔化せるとして・・・瑠璃達はさすがに無理だね」
瑠璃「うん、だってヴァリアー隊服のままだもん」
希「元の世界に・・・戻ったら、コスプレ・・・・してることに、なる、な・・・」
瑠璃「やっぱり・・・そうなるよね」
元の世界で〈REBORN!〉の世界は二次元だから・・・。
紗那「神様も覚えてないの?」
神「覚えてたらすぐにこんな感じだろってお前達の服を変えてるよ」
紗那「指パッチンで?」
神「そう、指パッチンで」
便利だな、その指パッチン。
なんて思いながら、うちはトリップの時に着てた服の手がかりがないか探す。
瑠璃「(ケータイの写真とかになかったっけ・・・?)」
ポケットに入れてたケータイを取り出せば、受信メール1件って出てた。
〈REBORN!〉世界の誰かが、戻る前にメールしたのかな・・・?
だとしたら、返せなくて申し訳ないよ。
とりあえず、誰から何のメールがきたのか見てみる。
瑠璃「(何これ・・・?)」
知らないアドレスから、意味の分からないメールがきてる。
そこに書かれてた内容は、
【ドッペルゲンガーを探せ】
・・・どういう意味?
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