Ver.黒曜・リング編
□Death knell
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復讐者「校舎の中に入った時点で勝負を開始する」
そう聞いて、昇降口から中へ入る瑠璃達に対しディスペラーレの7人はその場から動かなかった。
洋一「?何してんだ、あいつ等?」
瑪瑙「俺は4階へ行く」
翡翠「じゃあ俺は2階を南から攻めていくよ」
トゥーナ「う〜ん・・・私は適当にブラブラしてようかにゃ」
話している内容は瑠璃達には聞こえなかったが、作戦会議のようなものをしている、ということだけは分かった。
すると、自分達がどこへ行くか話し合っていた彼等は示し合わせたように目配せをする。
そして次の瞬間、それぞれが散り散りに窓を突き破って校舎内へ侵入した。
ツナ「ちょっ・・・あれいいの!?」
リボーン「ルール違反は何もしてねぇぞ」
雲雀「僕の学校を・・・(怒」
ディーノ「落ち着けって!(汗」
洋一・リン「「その手があったか!!」」
瑠璃「この学校に通ってるうち等には絶対出来ない発想だね」
紗那「うん。だって雲雀さんに咬み殺されたくないもん」
海斗「それで、どうします?」
希「手分けして・・・探すのが、1番・・・・妥当、だな」
リン「女子はどーする?」
瑠璃・紗那「「え・・・?」」
リン「1人で行ける?」
瑠璃「勿論!早く見付けて全部揃えたら戦う必要もなくなるしね!」
紗那「不安だけど・・・多分、大丈夫。私もやれるよ」
洋一「じゃあ、決まりだな。助けが必要になったらいつでも呼べよ」
瑠璃・紗那「「うん!」」
希「ああ」
海斗「希は言われてないよ」
希「えぇー・・・」
リン「俺は屋上から調べてみるけど皆はどうする?」
希「じゃあ・・・俺、ここ。1階」
洋一「俺は3年校舎の方を探してみる」
紗那「あ、じゃあ私もそっちに行く」
瑠璃「うちは・・・どうしよう。3階に行くね」
海斗「では僕は2階を」
瑠璃「リンと篠原、途中まで一緒に行く?」
リン「その方がよさそうだね。行こっか」
洋一「ちょっと待ったー!!」
上の階へ行こうとする3人の前に立ち、両手を広げて彼等を止める。
洋一の急な行動に、リン達3人だけでなく紗那と希も疑問符を浮かべた。
そんな5人の前で、洋一は言う。
洋一「何か皆忘れてね?」
瑠璃「忘れてるって・・・」
リン「何を?」
洋一「重要なこと!」
紗那「何かあったっけ・・・?」
希「さぁ・・・?」
海斗「洋一は何が言いたいの?」
洋一「勝負の前に決まってやることがあるだろ!」
必死にそう言われ、5人はとりあえず考えてみる。
考えてみるのだが・・・
5人「「「「「?」」」」」
全く分からなかった。
痺れを切らした洋一は言う。
洋一「円陣だろ!!」
・・・・・・。
瑠璃「それ・・・重要?」
海斗「いえ、全く」
希「洋一らしい・・・な」
紗那「洋一君、ツナ君達の見てやりたかったんだね・・・(苦笑」
リン「気合い入るし、やってもいいんじゃない?」
海斗「やるまで行かせてくれそうにないですしね・・・」
瑠璃「しょうがないなぁ・・・」
苦笑やため息を吐きながら、5人は腕を広げて円陣を組む準備をしている洋一の傍へ行く。
そして、皆で円陣を組み・・・
洋一「この場合、ボンゴレじゃねーよな?」
リン「ヴェスパの代理だからやっぱりヴェスパじゃない?」
海斗「何でもいいから早く始めてよ、洋一」
洋一「よーし!じゃあ、いくぞ!
ヴェスパーっ、ファイッ!!!」
瑠璃・紗那・リン「「「オーーー!!!」」」
海斗・希「「オー(棒読み」」
洋一「ハハッ。やっぱいいな、こーいうの!」
希「行くか・・・」
紗那「そうだね〜」
リン「皆、くれぐれも無茶はしないように。死にそうになったら迷わず逃げていいよ」
瑠璃「縁起でもないこと言わないでよ・・・」
海斗「では、自分の持ち場が全て調べられたらまたここに集合しましょう」
瑠璃・洋一「「OK!」」
紗那「うん!」
希・リン「「ああ」」
洋一「行こうぜ、谷垣」
紗那「皆、また後でね!」
リン「俺達も行こう」
瑠璃「うん」
海斗「ええ」
希「じゃあ・・・散、だな」
洋一「Σあっ、それ俺も言いたかった!」
瑠璃「もうそーいうのはいいから早く行け!!」
そんなことを言い合いながら、紗那と洋一は3年校舎へ、
瑠璃と海斗、リンの3人はそれぞれの階へ行く為に階段へ、
希は近くの教室へ向かった。
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洋一「じゃあ俺は3階から上の階で探すから、谷垣は1階と2階をよろしくな」
紗那「分かった。私の方が先に終わると思うから、後で追いかけるね」
3年校舎へやって来た2人は階段の前で探す場所を分担する。
洋一「おう、頼む!じゃあな」
紗那「うん、またね」
そこで別れて紗那は1階の教室へ、洋一は3階へ向かう。
どこに〈災厄を齎すもの〉が隠されているのか分からないので、紗那は教室に行くまでの廊下にも注意深く視線を向けた。
窓、床、天井・・・そういったところに目を向けながら、彼女はポツリと呟く。
紗那「電気が点いてるとはいえ・・・夜の学校ってやっぱり怖いな〜」
病院のように学校はホラーや怪談の定番だ。
そういう話にめっぽう弱い彼女は、自分の後ろを何度も確認して幽霊が出て来ていないか、などと真剣に心配する。
3階に洋一がいるとはいえ、広い場所で1人になるというのは心細いものだ。
紗那「お、お化けはこんな明るいところに出て来たりしない・・・よね?」
自分に言い聞かせるように、彼女は声に出して言う。
明るいところ、それは校内だけでなく、窓の外を指して言っていた。
窓の外から見えるグランドは、満月の淡い黄色い光で照らされている。
紗那「あ、でも・・・狼男は満月を見ると狼になっちゃうんだっけ」
どうやら紗那#の脳内では狼男=お化けの一員、という定義になっているようだ(笑
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