Ver.黒曜・リング編

□雷の守護者戦
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――夜、とあるホテルの一室で・・・


ベル「えー、姫行かねぇの?」


紗那「う、うん、だ、だって今日は・・・(ガタブル」



  ピッシャーン!!



紗那「キャアアアア!!(泣」



だって今日は・・・雷が鳴ってるから(泣

だから争奪戦には行けない・・・っていうか行きたくない。


耳を塞いで、私はホテルのソファーに顔を埋める。

うぅっ、雷がここに落ちたらどうしよう・・・(泣



ベル「何?雷ダメなの?可愛いー♪」


紗那「こ、こんな日に外に出たりなんかしたら・・・雷が落ちてきて感電死しちゃうよ。真っ黒焦げになっちゃうよ(泣」


マーモン「情けないね」


洋一「じゃあ谷垣は留守番だな。東雲はどうする?」


瑠璃「え・・・うちは、」


紗那「行かないで、瑠璃!私を1人にしないで!!(泣」


瑠璃「あー・・・紗那がこの調子だから一緒にいるね(苦笑」


洋一「そっか、分かった」


海斗「希は?」


希「眠い・・・けど、行く。ここに、いても・・・・谷垣の、悲鳴で・・・眠れなさそう、だ」


紗那「!(ガーン!」



そ、そんな・・・私、嫌われちゃった?色んな意味で悲しいよ〜!(泣



スクアーロ「う゛お゛ぉい、さっさと行くぞぉ」


洋一「ああ。じゃあ、ちょっと行ってくる」


瑠璃「うん、行ってらっしゃい」


洋一「・・・あんま、無理すんなよ」


瑠璃「無理?無理なんて全然してないよ。うちはいつも通り元気!」


洋一「・・・・・・」


海斗「(空元気の間違いだね・・・)」



瑠璃「レヴィさんに一応よろしくね」


紗那「雷に打たれないように気を付けてね〜」



瑠璃と一緒に私は争奪戦に行く如月君達を見送る。

きっと・・・今日も昨日みたいな戦いになるんだろうなぁ・・・・。


如月君達が部屋を出た後、チラッと瑠璃を見てみたら・・・さっきまでの笑顔が消えてたの。

でも、私の視線に気付いたのか・・・



瑠璃「雷、鳴り止むといいね」



無理に笑顔を作ってそう言うの。

やっぱり、昨日の戦い・・・あのルッスーリアさんのことを気にしてるんだね。


黒曜の事件の時の私と同じ・・・



紗那「私がいるからね、瑠璃」


瑠璃「え・・・?」


紗那「無理に溜めこまなくていいよ、自分の気持ち・・・」


瑠璃「紗那・・・」


紗那「私も溜めこまないで雷に叫びまくるから!」


瑠璃「プッ・・・アハハッ、何それ。お願いだからうちの鼓膜破ったりしないでよ」


紗那「私は悪くないもん。悪いのは雷の方だもん」


瑠璃「そんなわけないから(呆&苦笑」
瑠璃「(ありがとね・・・紗那)」











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――――――――――――――












チェルベッロ「雷の守護者は中央へ。対戦相手は2時間前からお待ちです」


ツナ「!2時間も・・・!?あ!」


雷の閃光で、屋上に1人立っているレヴィの姿が見えた。


ツナ「でた〜〜〜!!」


すると、そのレヴィの後ろに複数の影が降り立つ。


ベル「またレヴィ、2時間も前から?信じらんない」


マーモン「君とは違って不器用な男だからね」


希「並中の・・・七不思議に、なりそう、だな・・・・」


洋一「怪奇!夜の屋上に現れるムッツリ!って感じだな(笑」



俺は雨をしのぐのに隊服のフードを被りながら、改めて屋上を見る。


確か・・・エレットゥリコサーキット、だったよな?

避雷針に落ちた雷の電流が、床に張り巡らされた特殊な導体を伝って、何倍にも増幅されてかけ巡る仕組みになってるっていう・・・



マンガ読んでる時も思ったんだけどさ・・・こんなスゲー設備を数時間で作って、数時間で撤去させられるもんなのかな?



洋一「(REBORN!ミラクルってやつか)」


スクアーロ「とっとと終わらせろぉ!!」


洋一「お、また円陣が始まるな」



向こう側にいるツナ達を見てたら、いつもの円陣を組んでるとこだった。

笑うランボを皆が心配そうな目で見てる。


無理もねぇよな・・・。ランボはまだ5歳なんだから。



ランボ「じゃ行くねー!」



  トタトタ



ツナ「(何で元気なの・・・?)」



ランボ「ねーねー、あれどーやって遊ぶの?」



ツナ「(まだアトラクションだと思ってるーーー!!)」
ツナ「ランボ・・・」



チェルベッロ「それでは、雷のリング。レヴィ・ア・タンVS.ランボ。勝負開始!!!」



ランボ「どーやって遊ぶのかなぁ」



ベル「シュールな画(え)」


マーモン「秒殺だね」


海斗「・・・・・・」


希「見たく・・・ないなら、見ない方が・・・・いいぞ、海斗」


海斗「どういう意味?」


希「そういう・・・意味」


洋一「俺もそーした方がいいと思うぜ。だって海斗、優しいからな」



笑って俺がそう言えば、海斗はムスッとした顔になる。

何だかんだ言って毒とか吐くけど、こいつは誰よりも優しいんだ。



海斗は弱い者苛めとかを特に嫌うから・・・

だから、本当はこの雷の勝負を見たくねぇんだろうな。きっと、昔を思い出すから・・・



なんて考えてたら、避雷針に雷が落ちる。

レヴィは避けたけど、ランボはサーキットの上にいたから直接電流を喰らっちまった。



ランボ「ぐぴゃあぁ!!」



海斗「―――っ!」



ツナ「ランボぉ!!」



チェルベッロ「・・・・・・」


チェルベッロ2「念のため、生存の確認を」



レヴィ「その必要はない・・・。焼けた」


ランボ「う・・・っ」


レヴィ「!(ビクッ」


ランボ「うわあああ!!いだいぃ〜〜〜!!(泣」


レヴィ「!?」



ツナ「無事だ!!生きてる!!」



海斗「どうなってるの・・・?」



リボーン「幼少の頃、繰り返し雷撃を受けることでまれに起こる体質変異。電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)だぞ」


ツナ「クオイオ・・・?」



海斗「?」


洋一「(ランボって実はスゲーんだよな)」



電撃皮膚(エレットゥリコ・クオイオ)っていうのは、電気を通しやすい皮膚のことだってリボーンは言う。


電撃を喰らっても体の表面を通過して地面に抜けるから、脳や内臓へのダメージがほとんどねぇんだって。



リボーン「雷撃となるだけでなく、ファミリーへのダメージを一手に引き受け、消し去る避雷針となる、それが雷の守護者の使命だ。

アホ牛の体はその使命を体現してるんだ。むかつくアホ牛だが、あいつほど雷の守護者に相応しい奴はいねーんだぞ」



ベル「これでレヴィにスイッチ入っちゃったんじゃない?」


マーモン「だね。レヴィにとってボスに認められることこそが生き甲斐。

仕事を確実にこなすのも時間厳守も、守護者となりボスに褒められたいが為・・・」


洋一「ボス命だからなー、あいつ(苦笑」


マーモン「自分より守護者に相応しい奴がいたら・・・嫉妬の炎に燃えるだろうね」


希「やっと・・・勝負が、始まる・・・・な」


洋一「ああ・・・」



レヴィの睨みでランボが怯む。それを合図にレヴィの猛攻が始まった。


5歳のランボが暗殺部隊の攻撃を避けられるはずもなくて、レヴィの攻撃を全部受けちまうんだ。



海斗「、(ギリッ」


洋一「海斗、」


海斗「洋一・・・1つ、お願いがあるんだ。聞いてくれる?」


洋一「あー、聞かなくても何となく分かる」



自分が何か手を出そうとしたら止めてくれ。


きっとこいつは、そう言いたいんだ・・・



海斗「頼んだよ」


洋一「あぁ、分かった。任せとけ」







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