Ver.黒曜・リング編
□晴の守護者戦
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カツカツカツ・・・
未来「・・・・・・」
暗い暗い、静まり返ったどこかの建物の中を彼女は1人歩いていた。
右手はポケットに、左手は黒い宝石のペンダントを持って、それをブンブン振り回しながら。
一定のリズムで何の迷いもなく、何の乱れもなく目的の場所へ向かって歩き続ける。
カツカツカツ・・・
ピタッ
1つの扉の前で彼女は立ち止まる。
扉の向こうに人の気配はない・・・のではなく、自分がやって来たことで途中から気配を消した人物〈達〉が扉の向こうにいる。
彼女はそれにニヤリと不敵な笑みを浮かべ、ゆっくりと目の前の扉を開けた。
未来「やーやーやー、刺激的な歓迎をありがとー」
軽い調子で、武器を持って身構えている中にいる人物達に言う。
彼女を見たその者達は、少なからず動揺していた。
その人物達は・・・
犬「なっ、何れお前がここに・・・!」
千種「・・・どういうこと?」
クローム「あなたは・・・」
未来「ちょっち聞きてぇことがあって・・・な」
千種「何?」
未来「ま、その前に軽い世間話でもしよーぜ。紗那のメンドーを見てくれてサンキューな。後、如月も。
知ってると思うけど、あいつ等は今ヴァリアーにいるから修業の相手はもぅいいと思うぞ」
犬「お前に言われたから相手をしてやったわけじゃねーびょん!」
未来「まぁそーいうことにしとこーか(笑」
犬「んらと!(怒」
クローム「あの・・・あの時は、ありがとう・・・・。あなたの、おかげで私・・・」
未来「礼にはおよばねぇよ。可愛い子の為なら僕は何だってするからな♪」
千種「本題」
本題を言え。また短い言葉で、自分の意思を伝える。
未来はそれに肩を竦め、ため息を吐く。
未来「そー急かすなって。それとも何か?俺はソートー嫌われてんのか?」
千種「・・・・・・」
未来「肯定ですかぃ・・・(呆&苦笑」
しょうがねぇな、と小さく呟き、ペンダントをブンブン振り回していた左手を止め、その手で懐にしまっていたケータイを取り出す。
電源を入れ、視線はケータイの画面に向けたまま彼女はブツブツと呟く。
未来「色々とお前等には衝撃的だと思って世間話から始めたっていうのによぉ・・・」
ボタンを押していき、1枚の写真を画面に映す。
そしてそれを3人に見せる。
未来「お前等、こいつ等に見覚えねぇか?」
犬・千種「「!!」」
画像を見た2人は驚き、目を大きく見開く。
クロームの目を通してそれを見た骸も何か反応を示しているのか、クロームは耳に手を当てていた。
未来「その反応だけでジューブンだ。邪魔したな」
ケータイの電源を切り懐にしまい、またペンダントをブンブンと振り回す。
そしてそのまま踵を返し、部屋から出て行こうとすれば・・・
犬「ま、待つびょん!!何が・・・どーいうことなんらよ!?何れ、そいつ等が・・・」
未来「俺の口からは言えねぇな」
千種「何を知ってるの?」
未来「フッ、さぁの」
犬「意味分かんねーびょん・・・。らって、そいつ等は・・・・!」
未来「うん、そーだな・・・。お前等も3日後の夜、並中に来るといい。きっと、その答えが分かると思うぞ」
笑う、彼女は笑う。
全てを隠し、不気味に笑う。
道化師の誘い
To be continued...
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