Ver.黒曜・リング編

□晴の守護者戦
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ツナ「お兄さんが起き上がった!!」



紗那「まだ・・・続けるの?」


マーモン「勝利条件は相手を倒し、リングを奪うことだからね。ルッスーリアがリングを奪うまで何度だって続くよ」


紗那「ど、どうにかならないの・・・?ねぇ、瑠璃」


瑠璃「あの笹川さんが降参なんてするはずないよ・・・。だから、」


紗那「止められないの・・・絶対?」


洋一「そーいう勝負だからな。足を一歩踏み入れたら、もう引き返せねぇよ」


瑠璃「・・・紗那、」



そこでうちは、去年ルッスーリアさんに言われた言葉をそのまま紗那に言う。



瑠璃「あの人達の考えを、お前が認めることが出来ないっていうのは分かるけど、

それを無理矢理お前の考えだけで止めさせることは出来ないの」


紗那「!」




未来「お前はその皆の想いを・・・いっぺんに壊す覚悟はあるか?」




紗那「それでも、それでも私は・・・」


瑠璃「ホントはうちだって止めてほしいとか思ってるよ。思ってるけど、あの人達がどんな思いで戦ってるかが分かるから・・・

だから覚悟を、信念を、誇りをかけて戦うあの人達を黙って見守る。それがいい女ってやつでしょ!」



精一杯の笑顔を浮かべてうちは言う。


紗那はまだ心配そうっていうか不服そうだったけど、それ以上は何も言わなかった。



この戦いはそんな簡単なものじゃないんだよ、紗那・・・。



笹川さんが危ないから止める?


そんなことしたら、逆に自分が笹川さんにトドメを刺しちゃうよ。

命を懸けた真剣勝負で女に庇われるなんて・・・絶対死にたくなるに決まってる。


うちはそんなことしたくない。うちはもう2度と・・・―――人の心を壊したくない。



ルッスーリア「立ってもいいことないわよ。あなたのパンチは通用しないんだから」


了平「ああ・・・確かに通用しなかった。左はな・・・・」


ルッスーリア「!」


海斗「左・・・?」



リボーン「そーいや、フゥ太達を助けた時から左しか撃ってねーな」


ツナ「え!?」


コロネロ「そうだ。右は1度も撃ってねーぜ、コラ!」


ツナ「で・・・でも、何で・・・・?」


コロネロ「1つは細胞を休めてベストな状態にもっていく目的がある。もう1つは奴が晴の守護者だからだ」



了平「この右拳は圧倒的不利を跳ね返すためにある!!!」


ルッスーリア「んまぁ、これは傑作だわ!滑稽だわ!おほーほほっ」


了平「何が可笑しい!」


ルッスーリア「あなたの温存しているパンチがどれ程のものか知らないけど、当たらないと意味ないのよ」



  スススス・・・




獄寺「なんつーフットワークだ」


ツナ「お兄さん・・・っっ。ただでさえ見えないのに・・・・!!」



ルッスーリアさんが笹川さんの顔にパンチを喰らわせる。

それを受けて笹川さんは倒れるんだけど、必死に立ち上がって構えるの。



了平「いくぞ・・・」



ベル「へぇー」


マーモン「なかなか雰囲気があるよ」


希「(確か・・・モデルはコロネロのライフル、だったよな・・・・?)」



ルッスーリア「(外した瞬間があなたの最期よ)」


了平「そこか!」


ルッスーリア「!」


了平「うおぉお!極限太陽(マキシマムキャノン)!!!」



笹川さんの右アッパーが当たって、ルッスーリアさんが吹き飛ばされる。

だけどルッスーリアさんはまた空中で1回転してリングに降り立つの。



ルッスーリア「ふ〜〜〜っ。クリーンヒットしてたらちょっとやばかったかしら」



ツナ「そ・・・そんなぁ。後少しだったのに・・・・」



了平「いいや。確かに当てたぞ」



  ピシ・・・
   ピシ・・・



ルッスーリア「!?」



何かが軋む音がしたと思えば、パリーンって音を立てて上のライトが割れた。

笹川さんはライトに向かってどんどん拳を放つ。その度にライトが次々に割れていく・・・。


どうなってるの・・・?



了平「これでやっと貴様とイーブンの状態でやり合えそうだな」


ルッスーリア「!?」


了平「刮目!!」



  ばちっ




洋一「ハハッ、さっすがー」


スクアーロ「う゛お゛ぉい!喜んでんじゃねぇ!テメェはあくまでもこっち側だろぉがぁ!」



ルッスーリア「目が開こうが閉じようがどうでもいいわ。それよりも信じ難いのは照明を割る程の拳圧よ」



ベル「ルッスーリア、奴の体をよく見てみなよ」



ルッスーリア「!?なぁに?砂・・・?いや、違うわ。あれは・・・・!

なっ!!?塩!?塩の結晶ですって!!?」



瑠璃「何で塩なんかが・・・?」


海斗「まさか・・・」



ルッスーリア「なるほど。脱水症状により吹き出した汗の水分のみが照明の熱で蒸発し、汗に含まれる塩分は残る。

その塩分を拳にのせ、散弾のように放ったってわけね・・・」



海斗「あの笹川さんがそこまで考えていたとは・・・とても驚きです」


希「人は・・・見かけに、よらない」


洋一「お前等それ絶対褒めてねーよな?(苦笑」



了平「気付いたところでもう遅いぞ」


ルッスーリア「おほっ。おほほほ、あまり笑わせないで!腹筋がもっと割れちゃうわ」


了平「何・・・」


ルッスーリア「私がちょっぴりヒヤッとしたのは、拳圧で照明を割ったと思ったからよ。

だってそんなことをしたのは、光り輝くパンチを放ったと言われる初代晴の守護者だけなんだもの」


了平「!?」


ルッスーリア「でもこの程度の猿芸なら、私にも出来るわ」



そう言ってルッスーリアさんは、笹川さんと同じように塩を拳圧で吹き飛ばしてライトを割ったの。

ルッスーリアさんもさすがだね・・・



獄寺「芝生頭の塩をかすめて・・・!!」


ツナ「同じ技を!?」


リボーン「いいや、それ以上のテクニックを要するぞ。避ける了平の体の塩を拳圧で吹き飛ばしている。

正にヴァリアークオリティだな」


ツナ「ヴァリアー・・・クオリティ・・・・・?」



紗那・海斗「「?」」


瑠璃「(何の話・・・?)」



リボーンの話を聞けば、


ヴァリアーは、人間業では到底クリア出来ないといわれる殺し(ミッション)を、

いかなる状況でも完璧に遂行してきた、殺しの天才集団だって。


その悪魔の所業ともいわれる殺しの能力の高さを、人々は畏怖の念をこめてヴァリアークオリティって言うらしいよ。



アハハ・・・うちはそんなこと絶対出来ないよ。

だからツナ、うち等までそんな凄い人って感じの目で見ないで、お願い。



ルッスーリア「さすがリボーン、よく言えたわねVv

分かったかしら。私達とあなた達では実力に差があり過ぎて、遊びにはなっても戦いにはならないのよ」


了平「遊びかどうかはこの右拳を受けてから言うんだな」


ルッスーリア「んもう、分からない子ね。そのパンチはさっきマネして見せたでしょ?見切ったわ」


了平「やってみなければ・・・分からん!」


ルッスーリア「んもう。諦めの悪い・・・」



コロネロ「よく言ったぜ、了平。それでこそ俺の弟子だ、コラ!」


ツナ「そんな・・・。コロネロ!!いいのかよ!?」


コロネロ「極限太陽(マキシマムキャノン)は全身の細胞のエネルギーを放つ技だが、まだエネルギーが完全に拳には伝わってないぜ」



了平「師匠・・・」



コロネロ「勝機があるとすればそこだ!!もっと力を拳に凝縮させろ、コラ!」



了平「おう!!ゆくぞ極限!!!」



向かって行く笹川さん。

ルッスーリアさんはそれに持ち前のフットワークで応戦する。



了平「(見えた・・・!!)」


了平「うおおお!!極限太陽(マキシマムキャノン)!!」



  ガッ



笹川さんの右拳は、さっきみたいにルッスーリアさんのメタル・ニーに受け止められるの。

そして、左拳と同じように・・・




  グシャッ




了平「うわあああ!!あああ!!」

倒れ込んだ。



紗那「両手共・・・!」


海斗「これでどちらも使い物になりませんね」



ルッスーリア「ん〜、いい響きだったわ〜」



コロネロ「・・・・・・」
コロネロ「(細胞のエネルギー伝達率90%というところだぜ。今のトレーニング時間じゃこれが限界か)」



スクアーロ「う゛お゛ぉい!!いつまで待たせんだぁ!!」



ルッスーリア「んもう、せっかちねぇ。言われなくても締めるわよ」



ツナ「どっ、どーしよ〜」


すると・・・






「お兄ちゃん・・・?」







ツナ「!きょ・・・京子ちゃん!!?」



了平「!」



紗那「京子ちゃんと花ちゃん・・・」


瑠璃「どういうこと・・・?」



ツナ「なっ、何でここに〜!!?」


家光「娘さん達がコロネロを探してたんでエスコートしたんだ」


ツナ「父さん!!」


花「なんか・・・ヤバいよ、京子これ・・・・」


京子「お兄ちゃん」


花「ちょっ、京子・・・?」


京子「お兄ちゃん、どうして!?傷だらけだよ!」



了平「・・・・・・」



ベル「ししっ、面白い展開♪」


瑠璃「言ってる場合じゃないから!」



ルッスーリア「あらまぁ。あなた、この坊やの妹なの?お兄ちゃんはねぇ、私との戦いに破れ殺されるのよVv」



京子「!」



瑠璃「ちょっ、ルッスーリアさん・・・!」



京子「お兄ちゃん、止めて・・・!!ケンカはしないって約束したのに!!」



瑠璃・紗那「「Σえぇっ!!?」」


海斗「どうやら・・・普通のケンカだと思っているようですね」



花「止めなよ、京子。ヤバいって」


京子「お兄ちゃん!」



了平「・・・・・ああ。確かに額を割られた時・・・・・・・もうケンカはしないと約束した・・・」


ルッスーリア「!」



京子「!?」



了平「だが、こうも言った筈だ・・・・・・・」




了平(小学生)「それでも俺は男だ・・・。どうしてもケンカをしなくちゃならいない時が来るかもしれない・・・・」


京子(小学生)「お兄ちゃん・・・」


了平(小学生)「しかし、京子がそれほど泣くのなら・・・俺は・・・・・・」





了平「俺は・・・もう・・・・・・負けんと・・・・!!!」



ツナ「た・・・立った・・・・!」



了平「見さらせ!!!これが本当の・・・」


ルッスーリア「まったくしつこいわねぇ。これで終わりにしましょ」



  ススス・・・



了平「極限(マキシマム)!!」



コロネロ「(妹と女を思う気持ちが細胞エネルギー伝達率を100%にしたぜ!!!コラ!!!)」




了平「太陽(キャノン)!!!




笹川さんの右拳が、ルッスーリアさんの左膝・・・メタル・ニーに当たる。

そして、砕けたのは・・・












―――ルッスーリアさんのメタル・ニーだった。









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