Ver.黒曜・リング編

□晴の守護者戦
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了平「貴様!!ボクシングへの侮辱は許さんぞ」


ルッスーリア「んっふふっ」



 カッ
  カッ
   カッ



瑠璃「えっ!?」


紗那「わっ・・・」



試合開始が告げられた後、急にリングを照らす照明が強くなったの。

それによって、今ルッスーリアさんと笹川さんがいるリングは・・・



ツナ「リングが光ってるーーー!!!」



白い光が眩し過ぎて、リング上にいるルッスーリアさんと笹川さんの2人が全く見えない。

ちゃんと・・・いるよね?


とか思ってたら、うち等の後ろから・・・



海斗「凄いことになってるね・・・」


洋一「!海斗!希!来てたのか?」


海斗「今来たところだよ。今日はルッスーリアさん・・・晴の守護者の戦いなんだね」


希「ムスカを・・・思い出す、状況だな。目がぁ・・・・」


瑠璃「それ言うな!」



チェルベッロ「この特設リングは晴の守護者の決戦に相応しく設計された、擬似太陽により照らしだされる日輪のコロシアムなのです」



紗那「凄い設備だね〜。これだけ明るかったらお化けが出ても怖くないかも」


瑠璃「そーいう問題!?」



眩しさに顔を顰めながら、リングにいる2人を見ようとするけど・・・やっぱり何も見えない。

目がチカチカしてきた・・・。


それでも必死に見ようとしてたら、マーモンがうち等にサングラスを貸してくれたんだ。



洋一「あ、ルッスの膝蹴り入った」


希「クリーンヒット・・・だな」



ツナ「ああ!!ヴァリアーの人はサングラスつけてるから自由に動けるんだ!!」



瑠璃「え?いや、あれはサングラスじゃなくてメガネだけど・・・」


紗那「そーなの?」


瑠璃「うん、だってルッスーリアさん、あれがないと目が見えないって前に言ってたから」



まぁ、確かに見た目サングラスだからそーいう抗議もしょうがないんだけどね。

ツナが笹川さんにもサングラスを渡すように言えば、チェルベッロの人に「勝負中の守護者との接触は認められません」って言われてた。



チェルベッロ2「もし行えば、失格とし、リングを没収します」


ツナ「そんな・・・!!」


獄寺「キタネーぞ!!」



ツナ達がそんなことを話している間にも、笹川さんは一方的にルッスーリアさんにやられていくの。

やっぱり、ルッスーリアさんの方が上か・・・。


笹川さんが顔にパンチをもらってロープに倒れ込めば、ジュウウウウっていう焼けるような音が聞こえてきた。



了平「ぐわあぁあ!!」



瑠璃「何・・・?どーいうこと?」


海斗「あのロープ・・・もしかして、」



チェルベッロ「ロープは電熱の鉄線で何百度にも熱せられています」



瑠璃「マジで!?」


紗那「そんなの・・・火傷じゃ済まないよ!」



ルッスーリア「ん〜。私の完璧な理想の肉体(からだ)に近付いてきたわ〜。

私が思う究極の肉体美とは、朽ち果てた冷たくて動かない肉体(か・ら・だ)Vv」



獄寺「それって死体のことじゃねーか!?」



その通りです。

ルッスーリアさんは死体(男の)愛好家だから・・・



了平「・・・くっ。ふざけるな!」


ルッスーリア「!」



笹川さんが起き上がって、左の拳でルッスーリアさんにパンチを喰らわせた。

それを受けて、ルッスーリアさんは吹き飛ばされるんだけど・・・



瑠璃「あれ・・・?」



何か、違和感・・・。

今、間違いなくおかしかったよね?ルッスーリアさん、今ワザと・・・



ベル「ルッスーリア・・・本当に遊んでるね」


マーモン「当たったんじゃなくて、当たりにいったんだよ」


瑠璃「やっぱりそうだよね・・・?」



ルッスーリア「いじめちゃいや〜んVv」



  くるっ



了平「何っ!?だが今の感触・・・奴は空中・・・・!次は逃がさん!」



瑠璃「!」



そこで、うちはルッスーリアさんが何をしようとしてるのかが分かった。

1発目はワザと当たって、空中から次の攻撃をしようとしてるんだ。


ううん、正確には・・・またワザと笹川さんの攻撃を受けて、笹川さんを―――自滅させるつもりなんだ。



了平「もらった!!」



瑠璃「―――っ!!」







―――ダメ!!!





そう叫びたかったけど、叫べなかった。

だって今、うちはヴァリアー側にいるから・・・だから、言いたくても言えない。


笹川さんの左拳がまたルッスーリアさんに向かって行く。

その時、ルッスーリアさんの左足のアレがギラリと光った気がした・・・。





  ガッ




硬いものに当たる音がした・・・。

うちの目には、その時の光景がハッキリ映ってた。


1秒も満たないその時間が、今のうちには数十秒に感じられる。

酷くゆっくりなスローモーション・・・


ゆっくりと・・・笹川さんの左拳から噴き出す―――真っ赤な液体。





うちはこの時初めて、人の拳が完全に潰れるところを見た。



了平「ぐあっ!腕があぁ!」



海斗「砕けた骨が肉を裂きましたね・・・」


紗那「そんなっ・・・!」



ルッスーリア「晴の守護者らしく逆境を跳ね返してみせたのよんVv

私の左足は鋼鉄が埋め込まれたメタル・ニーなの。もうあなたの拳は使い物にならないわ」



紗那「笹川さん・・・脱水症状になってる。このままじゃ、」


瑠璃「っ・・・!」



目を背けちゃダメ、目を背けちゃダメ。

戦ってるのはリングの上にいる2人なんだから。痛い思いをしてるのはうちじゃないんだから・・・



最後まで、ちゃんと見届けなきゃ!



瑠璃「(今のうちに出来るのは・・・それだけなんだから)」



そう誓ってうちが顔を上げたのと、誰かが笹川さんに檄を飛ばすのは同時だった。






「立てコラ!!!」





ツナ「!コロネロ!!」



スクアーロ「あのチビはアルコバレーノのコロネロだぜぇ」


紗那「?リボーン君と同じ・・・?」


洋一「あぁ、青色のおしゃぶりのアルコバレーノ・・・それがあのコロネロだ」


瑠璃「確か・・・笹川さんの家庭教師だったよね?」


洋一「そ、了平の師匠だな」


瑠璃「(あんな赤ちゃんだったんだ・・・)」


レヴィ「何故、奴がここに?」



コロネロ「そろそろ頃合いだぜ。お前の本当の力を見せてやれ、了平!!」



ルッスーリア「今更、誰が何を言ってもムダよ。この子はもう終わりVv頂くわVv」


了平「ハァハァ・・・コロネロ・・・・・・・・師匠・・・・!!







―――その言葉を待っていたぞ!!」









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